役員プロフィール
大谷 聡伺

企業価値をつなぐ
社会的意義
常務取締役 コンサルティング本部長 大谷 聡伺

双方の関係性を重視する
中小企業のM&A

私はこれまで20年以上、M&A事業に従事してまいりました。銀行、証券会社、コンサルティング会社などに在籍し、比較的大規模な上場会社のM&Aを担当することが多かったです。現在の事業の中心である中小企業のM&Aは、後継者不在が社会問題となっている認識はあったものの、担当することはほとんどありませんでした。

そんな折、前職の最後の1年で、笹川が立ち上げた事業承継の部署を引き継いだことで、中小企業の深刻さを肌で感じることができたのです。サラリーマンであれば60代で引退する方が多い中、70代を過ぎても、事業継続のために奔走するオーナー様が非常に多い。前向きな理由もありますが、その裏には後継者の不在という事情も隠れています。中小企業のM&Aには、社会的に大きなニーズがある。そんな時、当時20名だった当社を成長させたいと、笹川から声をかけられました。

大手と中小企業のM&Aでは、重きを置くポイントが根本的に異なります。大手の重要視するのは経済合理性です。そのために、当然のように価格交渉やオークションを実施します。一方で、中小企業は価格が最大の争点にはなるとは限りません。マッチング先との肌合いやカルチャーフィット、考え方が一致しているかに、比重を大きく置いています。

価格面よりも、企業文化やオーナー様同士の意見の対立が破談につながるケースが非常に多いのです。私達は仲介という立場から、売り手・買い手双方の思いを察して交渉を進めなければなりません。同じM&Aでも、大手と中小では全く別のスキルが求められると、日々痛感しています。

多くの企業を救うための
組織編成

大谷 聡伺

株式会社経営承継支援では、他社が扱えない小規模のM&Aも対応しています。大きな特長は、リーズナブルな仲介手数料です。一方で、営利企業でもある私達は、手数料体系を成立させつつ利益をあげられる体制を作らなければ、継続的にサービスを提供することができません。そこで当社は効率化を重視し、譲渡の相談からクロージングまで迅速に対応できるよう、組織作りに注力しました。

その最たるものが、M&A仲介会社としては珍しい「分業体制」です。売り手のオーナー様のニーズをヒアリングするチーム。買い手を見つけるチーム。契約上の書類など、手続きをスムーズに行うチーム。また、税理士や会計士など、各専門家を集めたチーム。各作業のスペシャリスト集団を、チームとして組織しました。

譲渡を希望されるオーナー様には担当が必ず付き、最初から最後までお付き合いをします。その傍らで、その他のチームが、買い手探しや書類の作成を行うわけです。従来は1人の担当者が、全ての作業を担当していました。情報収集や売り手のヒアリングなど、どこかの作業が滞りがちになるというデメリットがあります。そこで、まずは譲渡を希望されるオーナー担当するチーム、買い手を探すチームに分けることとしました。

そこから、書類の作成等を行うエグゼキューションのチームを別に切り分けました。私も含め、1人で行う体制に慣れていた社員からは、従来の手法を希望する声もありました。しかし、その手法では多くの中小企業を救うことができないこと、分業制でのM&Aの重要性を、根気強く説明していったのです。その甲斐あり、現在は各チームが連携して案件をこなすことで、他社より多くの実績を積み上げ、それぞれの業務の習得度を高めることに成功しました。

M&Aで企業の発展と
幸福を目指す

大谷 聡伺

今後、もしも社内のノウハウが成熟したら、案件の大きさに合わせて1人体制の運用と併用させるなど、理想の組織図を常に思い描いています。それも全て、採算が取れないと他社が諦めた、しかし社会的な意義の大きな中小企業のM&Aという領域を、発展させるためです。

M&A自体は、200年前から存在する社会的に意義のある経済行為です。

しかし、日本では「大手企業のもの」「マネーゲーム」「身売り」と、ネガティブなイメージが目立ちます。私達は、M&Aとはそうではない、売り手も買い手も買い手もより幸せになれるものだと信じています。

オーナー様は、ぜひ育ててきた会社をさらに発展する1つの方法として、M&Aをご検討ください。今以上に活躍の場が広がる、前向きなお気持ちでM&Aに取り組めるよう、全力で支援させていただきます。