ソフトウェア開発業界の市場動向
2022年のソフトウェアの売上高は、前年比3.8%増の11兆4,963億円でした(経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」。

出所:経済産業省の資料など
2021年のソフトウェア業界の売上高は、大幅に増加しました。2021年は従来のシステム更新需要に加え、企業のDX対応やデジタルデータを活用した業務効率化、セキュリティ分野などで需要が増加しました。また、在宅勤務に伴うビジネスチャットやデータ共有ソフト、オンライン会議システムなどの需要も増加しました。さらに、政府主導のGIGAスクール関連投資の需要も大幅に増え、各社の業績拡大に寄与しました。
2022年-2023年は、GIGAスクール関連の特需が剥落しましたが、企業のDX対応や業務効率化、セキュリティへの需要は底堅く、堅調に推移すると予測されています。
近年のソフトウェア業界は、従来の「売り切り型」から「SaaS型」にビジネスモデルが変化しています。「SaaS型」の多くは定額課金を採用しており、売上が積み上げ式であることから経営が安定するメリットがあります。こうした点から、各社とも「SaaS型」を強化しており、今後ソフトウェアの主流は「SaaS型」になっていくことが予想されます。
ソフトウェア開発業界の売上高ランキング
ソフトウェア開発業界の売上高ランキング(1位~10位)は、以下の通りです。
| 売上高ランキング | (億円) | |
| 順位 | 会社名 | 売上高 |
| 1位 | 日本オラクル(4716) | 2,146 |
| 2位 | トレンドマイクロ(4704) | 1,903 |
| 3位 | オービック(4684) | 894 |
| 4位 | ジャストシステム(4686) | 416 |
| 5位 | ミロク情報サービス(9928) | 365 |
| 6位 | オービックビジネスコンサルタント(4733) | 347 |
| 7位 | サイボウズ(4776) | 184 |
| 8位 | クレオ(9698) | 147 |
| 9位 | フリー(4478) | 143 |
| 10位 | ピー・シー・エー(9629) | 133 |
出所:会社四季報などより作成
ソフトウェア開発業界のM&A
近年、各業界のIT投資が増加しており、ITエンジニア・技術者は不足しています。ソフトウェア開発会社にとっては、いかにしてIT技術者を確保するかが重要な経営課題の一つとなっています。
ソフトウェア開発業は、不足するITエンジニア・技術者の獲得を目的として、買収ニーズが非常に強い業種です。
従って、他業種と比較すると、売り手主導による、より良い条件での交渉が可能です。
ソフトウェア開発業界のM&A事例(一部)
| 年度 | 買い手 | 対象企業・事業 |
| 2020 | ソフィア総合研究所
(ソフィアホールディングス(6942)の連結子会社) |
藤井(現:ソフィアテック、PMO事業など)を完全子会社化。 |
| 2020 | エイムソフト(現:クシムソフト)
(クシム(2345)の子会社) |
ケア・ダイナミクス(介護事業者向けASPシステムの提供など)を完全子会社化 |
| 2020 | 菱洋エレクトロ(8068) | スタイルズ(システム開発)を完全子会社化 |
| 2020 | TDCソフト(4687) | 八木ビジネスコンサルタント(システム開発)を完全子会社化 |
| 2021 | 飛島建設(1805) | アクシスウェア(システム開発)を完全子会社化 |
| 2021 | 株式会社サンロフト | S’PLANT(水産業・製造業向け販売・生産管理システムの受託開発など)を完全子会社化 |
| 2021 | Success Holders(4833) | P&P(システム開発、技術者派遣)を完全子会社化 |
| 2021 | 長大(9624) | エフェクト(組み込みシステムの受託開発など)を完全子会社化 |
| 2021 | Eストアー(4304) | アーヴィン・システムズ(ITコンサルティング、システム開発・運用など)を子会社化。 |
| 2022 | コムチュア(3844) | ソフトウエアクリエイション(システム開発)を子会社化 |
| 2022 | 株式会社Road | 株式会社シグ二テイ(WEBプッシュ通知配信サービスの提供)を完全子会社化 |
|
2020年 (買い手企業) ソフィア総合研究所
ソフィアホールディングス(6942)の連結子会社
(売り手企業) 株式会社藤井
ソフィア総合研究所は、企業様向けのシステム開発・運用、インフラの構築・運営管理等の事業. を展開しています。
株式会社藤井(東京都:売上高1億5,300万円)は、ソフト開発事業を手掛けています。
ソフィア総合研究所は、藤井の全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、ソフィアグループのソフト開発力の拡充が狙いです。
2020年 (買い手企業) 株式会社エイムソフト(現:クシムソフト)
(売り手企業) 株式会社ケア・ダイナミクス
株式会社エイムソフトは、学習管理システムの開発を手掛けるクシム(2345)の子会社です。
株式会社ケア・ダイナミクス(東京都:売上高9,000万円)は、介護事業者向けASPシステムを提供しています。
エイムソフトは、ケア・ダイナミクスの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、ICT 技術を活用して農業・介護などの分野におけるソリューション開発の協業を推進するのが狙いです。
2020年 (買い手企業) 菱洋エレクトロ(8068)
(売り手企業) 株式会社スタイルズ
菱洋エレクトロは、エレクトロニクス商社であり、情報通信関連の機器も展開しています。株式会社スタイルズ(東京都:売上高3憶4,400万円)は、情報システム開発・構築・運用保守・監視等を展開しています。
菱洋エレクトロは、スタイルズの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、顧客・マーケットの課題を解決するソリューションビジネスを展開するための体制および機能の強化が狙いです。
2020年 (買い手企業) TDCソフト(4687)
(売り手企業) 株式会社八木ビジネスコンサルタント
TDCソフトは、金融関連ソフトの開発に強みを持つ、独立系SIです。
株式会社八木ビジネスコンサルタント(東京都:売上高5億円)は、SAPシステムのコンサルティングおよびシステム開発を行っています。
TDCソフトは、八木ビジネスコンサルタントの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、八木ビジネスコンサルタントのSAP関連ノウハウと、自社のシステム開発技術を融合することで、顧客ニーズに対応した付加価値の高い次世代サービスを提供するのが狙いです。
2021年 (買い手企業) 飛島建設(1805)
(売り手企業) 株式会社アクシスウェア
飛島建設は、土木・建築工事事業の他に、コンピュータを利用した情報処理ならびにハード・ソフトウェアの開発事業を展開しています。
株式会社アクシスウェア(東京都:売上高9億5,700万円)は、ITシステム開発および保守業務を行っています。
飛島建設は、アクシスウェアの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、デジタルトランスフォーメーションの加速による次世代型事業運営体制の構築、建設分野以外の革新的ビジネスソリューションの提供など、事業領域の拡大が狙いです。
2021年 (買い手企業) 株式会社サンロフト
(売り手企業) 株式会社S’PLANT(エスプラント)
株式会社サンロフトは、中小企業のDX化支援事業を展開しています。
株式会社S’PLANTは、水産業・製造業向け販売・生産管理システムの受託開発を行っています。
株式会社サンロフトは、S’PLANT(など)を株式譲渡によって完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、基幹業務システム開発を手掛ける事業部門の体制を強化する狙いがあります。
2021年 (買い手企業) Success Holders(旧ぱど)(4833)
(売り手企業) 株式会社P&P
Success Holdersは、フリーペーパー(無料情報誌)首位、システム開発・技術者派遣業にも参入しています。
P&P(福岡県:売上高3億5,700万円)は、システム開発、技術者派遣を行っています。
Success Holdersは、株式会社P&Pの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、テクノロジー事業の拡大が狙いです。
2021年 (買い手企業) 長大(9624)
(売り手企業) 株式会社エフェクト
長大は、建設コンサル上位の会社です。
株式会社エフェクト(福岡県:売上高2憶4,200万円)は、AI/IoT活用システムの自社開発、組み込みシステムの受託開発を行っています。
長大は、エフェクトの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、エフェクトの先端ITとグループの経営資源やノウハウを共有し、研究開発を加速させる狙いがあります。
2021年 (買い手企業) Eストアー(4304)
(売り手企業) 株式会社アーヴィン・システムズ
Eストアーは、Web店舗運営支援や出店店舗の販促支援などEC総合支援サービスを提供しています。
株式会社アーヴィン・システムズ(東京都:売上高1憶5,800万円)は、ITコンサルティング、システム開発・運用を行っており、Eストアーから開発業務を受託していました。
Eストアーは、簡易株式交換によってアーヴィン・システムズの発行済株式総数の50.17%を取得して子会社化しました。
本M&Aの目的は、EC(電子商取引)システム構築と周辺サービスの競争力を向上するのが狙いです。
2022年 (買い手企業) コムチュア(3844)
(売り手企業) ソフトウエアクリエイション株式会社
コムチュアは、クラウドが主力の独立系SIであり、ソリューションサービスを提供しています。
ソフトウエアクリエイション株式会社(神奈川県:売上高15億円)は、大手ITサービス提供企業を顧客に持ち、WEB系のシステム開発やインフラ構築サービスの実績があります。
コムチュアは、ソフトウエアクリエイシンを子会社化しました。
本M&Aの目的は、ソフトウエアクリエイションの優秀な人材を獲得し、事業拡大をするのが狙いです。
2022年 (買い手企業) 株式会社Road
(売り手企業) 株式会社シグ二テイ
株式会社Roadは、営業代行、採用代行、SESを主軸に多様な事業を展開しています。
株式会社シグ二テイ(東京都)は、WEBプッシュ通知配信サービス(COINs)の提供を行っています。
株式会社Roadは、株式会社シグ二テイの全株式を取得して完全子会社化しました。
本M&Aの目的は、両社の技術、経営資源を活用し、WEBプッシュ通知配信サービスであるCOINsをさらに拡大させるのが狙いです。
ソフトウェア開発業界の課題と今後について
エンジニア(技術者)の不足
経産省のデータ(注)より、今後、IT業界において人材需要が上昇し続ける場合、高位シナリオ(需要の伸び:3~9%)では2030年の時点で79万人のエンジニアが不足すると予想されています。
また、中位シナリオ(需要の伸び:2~5%)では45万人、低位シナリオ(需要の伸び:1%)でも16万人が不足すると予想されており、ITニーズの拡大によって、IT業界における人材不足はさらに進むと予想されます。(注)IT人材受給に関する調査(経済産業省)
「2025年の崖」問題、デジタルトランスフォーメーション(DX)需要
2025年以降、システムの老朽化で様々なトラブルが生じる可能性を指摘した、「2025年の崖」問題への対応や、コロナ後のニューノーマル(新常態)に向けた新しい働き方への移行により、企業のDX需要が加速することによって、中長期的には、システム開発業界は安定した成長が見込まれます。
会社を売却する手順・流れ、方法
M&Aの手順・流れ

①プロセス開始当初にご依頼する資料やお伺いする情報がスムーズにご提供戴けると、その後のプロセスが円滑に進行します。
②予備的企業価値評価は、当社専門家(会計士/税理士)監修のもと実施。この段階で、譲渡価格や条件等の内容を概ね決定します。
③買手候補企業との間で大枠の条件が固まったら基本合意書(法的拘束力無し)を締結します。この段階より1対1の交渉(独占交渉)が始まります。
④基本合意と買収監査結果で差異があった項目を中心に調整し、詳細事項を決定。M&A実施後の体制等も、この段階ですり合わせます。
M&Aにより会社を譲渡するメリット
オーナーのメリット(株式譲渡の場合)
①オーナー・その他株主のキャピタルゲイン(資本利得)の実現
オーナー一族はリタイアに際して現金収入が発生し、ハッピーリタイアすることができますその他株主も、同様に未上場株式を現金に換金できます
②相続税対策
流動性のない未上場株式を現金化することにより、遺産分割が容易になります
③オーナー一族の個人保証からの解放
買い手企業が保証(債務保証、不動産等の担保提供)を肩代わりするため、オーナー一族の経済的負担が解消されます
※親族内承継または従業員承継の場合、オーナー一族の個人保証を継続せざるを得ない
場合があります
会社のメリット
①事業の継続を確保、会社成長の可能性があります
②買い手企業の傘下に入ることにより、事業継続と安定性を確保できます
③買い手企業とのシナジー、将来の会社成長の可能性に期待できます
④従業員雇用の継続、安定を図ることができます

会社を売却するデメリット
・買い手企業が見つからないリスク
会社を売却すると決断してもすぐに買手企業が見つかるとは限りません。
M&Aにはそれなりのコストがかかるので、買い手企業にとっては、それなりのメリットがなければM&Aを実行しません。
コロナ禍においては、M&Aを検討する企業数が減っており、かつ投資目線も厳しくなっています。
つまり、「コストをかけてもM&Aを行う」と買い手企業が思うような魅力がある会社(売り手企業)でない限り、なかなか買手企業が現れないと考えるのが良いでしょう。
M&A市場においては、一般に「将来的に売り手企業がどの程度の収益を上げる力があるか」で売り手企業は評価されます。したがって、収益面では黒字にすること、過度な借入金(例えば、売上高を超える、あるいは同じ金額の借入金)は避けるべきです。
・M&A後における従業員の待遇面の不安
M&A後における従業員の労働条件や解雇の規則については、買い手企業によって変更をされないように最終契約書に記載しておく必要があります。
最終契約書での取り決めがない場合、M&A前より悪い労働条件で働かされたり、簡単に解雇されたりする可能性があるためです。
M&Aを実行する場合、確認する事項は個別案件ごとに異なり、また多岐にわたります。この確認をおろそかにせず、売り手企業と買い手企業のお互いがM&Aのメリットを享受できるように交渉を進めることが重要です。
会社を売却する際の株価の考え方
株価(株式価値)の算定方法として一般的に用いられる手法は、修正純資産法、類似会社比較法(マルチプル法)、DCF法です。
修正純資産法
評価対象会社(売手)の貸借対照表に計上されている全ての資産・負債を時価評価した後の純資産額に営業権を加算(注)して企業価値を算定する方法です。この方法は、企業の静的な価値を判定するのに適しています。未上場会社のM&Aで利用されることが多い方法です。
(注)黒字の場合、営業権として修正後営業利益の3年分程度の金額を加算します。一方、赤字(営業損失)の場合、営業権はつきません。社歴〇〇年の老舗企業、あるいは△△△ブランドで有名などの要素は、営業権として評価されません。
類似会社比較法(マルチプル法)
業種、企業規模等の類似する上場会社の一定の財務数値に対する企業価値の倍率を測定し、評価対象会社(売手)の財務数値に当該倍率を乗じることで企業価値を算定する方法です。
上場会社、未上場会社のM&Aにおいて利用されている方法です。

なお、未上場の中小企業・小規模企業のM&Aの株価算定においては、会社規模(売上)が小さい、ニッチ業種であるなどの理由により、上場会社の中から類似会社を選定することが難しい場合があります。
DCF法
事業活動から得られると予測される将来キャッシュ・フローの総額を現在価値に割り引いた金額を企業価値として評価する方法です。将来キャッシュ・フローの予測に企業価値が大きく左右される方法です。上場会社のM&Aにおいては、一般的に利用されることが多いです。
なお、DCF法を用いる場合、将来キャッシュ・フロー算出の基礎となる評価対象会社(売手)の事業計画が必要となります。また、当該事業計画の客観性、妥当性、実現性等が重要になります。
考慮すべき事項
評価対象会社(売手)が、企業のライフサイクル(イメージ図)において、創業期、成長期、成熟期、衰退期のいずれの段階に該当するかを判断します。
併せて、評価対象会社の継続性の疑義の有無、知的財産等に基づく超過収益力に依存する収益構造であるか、類似上場会社のない新規ビジネス、或いはニッチ業種に該当するかなどを判断する必要があります。
企業のライフサイクル(イメージ図)

以上の考慮すべき事項を確認した後、評価対象会社(売手)に適切な株価(株式価値)の算定方法を選択します。複数の算定方法を選択できる場合は、それぞれの算定方法の結果を比較検討するのがよいでしょう。
株価(株式価値)の算定方法の選択
|
考慮すべき事項 |
想定ケース | 企業評価手法 | ||
| 修正
純資産法 |
マルチ
プル法 |
DCF法 | ||
| 評価対象会社の
ライフステージ |
創業期 |
〇 | 〇 | |
| 成長期 | 〇 | 〇 |
〇 |
|
| 成熟期 | 〇 | 〇 |
〇 |
|
|
衰退期 |
〇 | |||
| 会社の継続性 | 疑義なし | 〇 | 〇 |
〇 |
|
疑義あり |
〇 |
△ |
||
| 知的財産等に基づく
超過収益力 |
知的財産等の無形資産が価値の主たる源泉 | 〇 |
〇 |
|
| 類似上場会社のない新規ビジネス | 他に例のない新規ビジ
ネス |
〇 |
||
| ニッチ業種 | 〇 |
△ |
||
〇:採用が適していると考えられる △:場合によっては採用することが想定される
以上、中小企業のM&Aにおける株価(株式価値)の算定方法、考慮すべき事項を簡単に紹介しました。
現在、または将来、後継者問題などを理由に会社譲渡を考えている中小企業の社長様、是非、弊社にご相談ください。
会社の株価(譲渡金額)を決めるのは、社長様ご自身です。弊社試算の株価と比較して、納得できる譲渡金額を決める際の参考にして頂ければと思います。
会社を売却する場合に係る税金
中小M&Aの方法のうち、最も多く用いられる株式譲渡の場合において、会社売却に係る税金をどのように考えるかを一緒に見てみることにします。
会社の株主が個人である場合、所得税・住民税あわせて20.315% の固定税率で分離課税が適用されます。
以下の設例を用いて、会社を売却した場合、株主の税金をどのように計算するかを説明します。
<設例>
会社株主は、社長のみの一人株主とします。
株式の出資額10,000千円、株式譲渡代金100,000千円、売り手(個人株主)のM&A手数料5,500千円 (消費税込み)とします。
株式の売却益(注)は、株式譲渡代金から株式の出資額を差し引いた、90,000千円(=100,000千円−10,000千円)となります。
(注)キャピタル・ゲイン(資本利得)
個人株主の場合、株式の売却益は分離課税の対象となり、税率は20.315%(注)が適用されます。
また、M&A手数料(消費税込み)は、売却益から費用として差し引くことができます。
よって、個人株主が負担する税金は、以下のように計算することができます。
(90,000千円−5,500千円)×20.315%(注)=17,166千円
(注)所得税及び復興特別所得税(15.315%)+住民税(5%)
会社を売却するタイミングを考える場合のポイント
会社を売却するためのポイントは3つあります。
ポイント① 引退の時期を決める。
「この事業が上手くいったあとで」といった条件付きの不明確な時期の決め方ではなく、できれば年月を確定することをおすすめします。
時期を決めることで、実現するための強い決意が生まれます。
経営状態がよいタイミングで売却すると高い株価で売却でき有利ですが「企業価値が上がったら売却してリタイアしよう」という決め方だとなかなか踏ん切りがつかず、ハッピーリタイアの実現は難しくなるでしょう。
ポイント② 売却前に次の経営者がやりやすいように経営環境を整えておくことです。
後顧の憂いなくリタイアするためには、経営者の頭の中にある重要な項目を整理しておくことが重要です。
特に、従業員の対するケアがポイントであり、各従業員の性格等を、事業引継ぎの際に伝えておかなければ、その後の組織運営に支障が出ます。
③ 良いフィナンシャル・アドバイザー(注)を見つける。
会社を売却する際には、専門的知識が必要となり、M&Aの専門家のサポートが必要となります。
中小M&Aの実績が十分にあり、業界での評判の良いM&A仲介会社を選ぶとよいでしょう。
どのM&A仲介会社も初期相談は、無料で対応しています。複数社と面談して、相性の良さそうな会社を選択するのも一つの方法です。
(注)フィナンシャル・アドバイザーの役割は、クライアント(売り手、買い手)が目指す戦略実現のために、最適なM&A手法を企画 立案し、その執行を全面的にサポートすることです。
アドバイザリー会社のタイプとしては、金融機関系、会計会社系、ブティッ系の3つに大別することができます。
2023年ソフトウェア業界のM&A
ソフトウェア業界は、業種別にみるとM&A件数が1番多い業界です。
デジタル化が進む現代において、必要とされるスキルも日々、変化していき今後もスピードが求められる業界のため、M&Aによる企業買収によって「時間を買う」という行為が求められます。
ソフトウェア業界のよくある悩み・ニーズ
ソフトウェアの研究・開発には、基本的に専門性の高い知識と技術が求められます。
そのため、時代の需要とマッチしたソフトウェアを作り出すためには、優れたスキルを持つシステムエンジニアやプログラマーなどの技術者が必要となります。
しかし、ソフトウェア業界の技術者を取り巻く労働環境はまだまだ充実しているとは言いがたく、人材が不足しているのが現状です。
とりわけ知名度の低い企業は、技術者の確保により苦労している傾向が見られます。
また、ビジネストレンドの移り変わりが激しい業界ですから、時代のニーズに合わせた柔軟な対応力が求められるでしょう。
ただ、しっかりとした経営基盤を持たない中小企業では、それが難しいケースが予想されます。
こうした問題点や課題を解決すべく、M&Aによる吸収合併や経営権売却などを行い、人材確保や事業規模の拡大などを進めようと考えている企業もあります。
ソフトウェア業界における動向・トピックス
IT技術の発展やインフラ整備などによって、あらゆるものがインターネットに接続されている社会へと変化しつつあります。
さらにビッグデータの活用や、人工知能(AI)の導入がさまざまな分野で始まっており、社会のデジタル化の動向は新しい局面を迎えていると言えるでしょう。
こうしたデジタル化による変化は「デジタルトランスフォーメーション」や「デジタル革命」などと呼ばれ、ビジネスやライフスタイルにも影響を与えるとされています。
このような背景を持つソフトウェア業界では、新しいビジネススタイルや技術者のスキル向上などが求められています。
加えて、優れた経営者やリーダーの存在がデジタルトランスフォーメーションの鍵だと考えられており、明確で革新的なビジョンのもと、企業経営をおこなっていくことが重要だとされています。
時代に合わせて随時進歩していくソフトウェア業界ですが、一方で人材は慢性的に不足している状態が続いています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「IT人材白書2019」という資料によれば、IT人材の量に関するアンケートにおいて、2018年度は「大幅に不足している」が31.1%とはじめて30%を超えました。今後、この比率は高まっていくことでしょう。
ソフトウェア業界でM&Aをすることのメリット(売り手)
大手企業に経営権を売却したり、有力グループからの買収を受け入れたりすることで、事業規模の拡大が期待できます。
それに伴って経営基盤も安定しますから、事業経営の効率化や安定化が図れ、従業員の雇用状況を維持することもできるでしょう。
売却の条件によっては、従業員の賃金面や福利厚生面などが改善され、労働環境が良化するケースも考えられます。
また、買い手企業に優秀なシステムエンジニアやプログラマーが在籍していた場合、そのノウハウや指導力を享受できるため、売り手企業の人材育成にも繋がるでしょう。
それから、売り手企業の経営者が日進月歩する最新技術に対応できなかったり、後継者が見つからなかったりといった問題も、解決できる可能性があります。
ソフトウェア業界でM&Aをすることのメリット(買い手)
事業規模やシェアを拡大できるので、より効率的で安定した事業経営に取り組めます。そして売り手企業の取引先を受け継ぐことで、ビジネスチャンスの増加も見込めるでしょう。
また、自社には存在しない技術や、苦手としている分野のノウハウを売り手企業が持っていた場合、新たな事業への対応力を手に入れられます。お互いのノウハウを合わせることで、魅力的な新技術を開発できる可能性もあるでしょう。
売り手企業に有能な技術者が在籍していれば、純粋に技術力の向上となります。
経験豊富な人材の一括確保も可能なため、人材育成に要する経費や時間などの節約にも繋がるでしょう。
さらに、売り手企業のオフィスやツールをそのまま流用できますから、イニシャルコストを抑えることができます。
ほかにも、社外に発注していた仕事を内製化し、コスト低下と利益増加を図れることもあるでしょう。ディスカッションをすべて社内で行うことで作業効率が高まりますし、仕事の質も一定以上のレベルを確保しやすくなります。
ソフトウェア業界のM&Aのポイント
ソフトウェア業界は技術者の能力が企業の利益に直結しやすいため、幅広いプログラミング言語やアルゴリズムなどを習得している優秀な技術者を確保することが大切です。
また、慢性的な人材不足に陥っているソフトウェア業界において、経験を積んだ技術者を多数確保できることには、とても大きな価値があります。
それゆえ合併や買収をおこなう企業を選ぶ際、対象となる企業の技術ノウハウに加え、従業員のスキルレベルや人数も、選定に関する重要なポイントとなるでしょう。
ただし、優秀な人材の数には限りがありますから、未経験者や初心者を優れた技術者へと育成するという点にも、注目しなければいけません。
したがって、高品質な技術者育成プログラムを持つ企業とM&Aを行うことも、今度のソフトウェア業界で生き残っていくうえで、必要となる場合があるでしょう。
弊社M&Aコンサルティングサービスのご案内
弊社のM&Aコンサルティングのご案内です。特徴は3点あります。
一つ目は、プロフェッショナルによるM&Aサポートです。
M&Aの専門性を持つ、経験豊かなコンサルタントが、皆様にきめ細かなサービスを提供させていただきます。実際に成約したお客様、皆様からご満足いただいております。
二つ目は、完全成功報酬の手数料体系です。
当社は、1社でも多くの中小企業のM&A支援を行うために、リーズナブルな手数料体系を採用しています。着手金、月額費用などはいただかず、成功報酬のみの完全成功報酬制を採用しています。
三つ目は、多くの成約実績です。
業種、規模、エリアを問わず、多くの成約実績がございます。
高い専門性を持ったM&Aコンサルタントが、ご満足いただけるサービスを提供させていただきます。
| 中小企業のM&Aは、個々の案件ごとに手作り、言わばオーダーメイドであり、これが公式というものはありません。この記事を読まれた会社経営者の方でM&Aをお考えになる場合は、中小企業のM&A仲介会社である弊社に是非ご相談ください。 |