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M&Aを成功に導くための秘訣
M&Aによる買収は買い手と売り手双方にメリットをもたらします。買い手は時間を浪費することなく、経営規模の拡大及び経営基盤の強化を図ることができます。売り手にとっては、後継者問題を解決するための1つの選択肢になります。
しかし、M&Aによる企業間の統合は、いくつかの点で注意しておかなければ上手くいかないこともあります。せっかく統合するのですから、シナジーを発揮してさらなる経営状況の改善に貢献することが大切です。では、M&A成功の秘訣にはどのようなことがあるのでしょうか。
規模の大きい会社を買収するときは注意
M&Aを成功させるための秘訣の1つには「規模の大きい会社の買収ほど慎重に行うこと」です。
当然のことながら、規模の大きい会社ほどM&Aによる取得価格が高くなるため、それだけの費用対効果が見込めなければなりません。そのため、M&Aを成功させるには買収する企業のどこに魅力を感じているかを明確にすることが大切です。
たとえば、規模の大きい会社を買収するにあたって、その会社の売上高が魅力なのか、各地域にある支店や倉庫などの設備を取得するためなのか、人材やノウハウの獲得なのかなどをよく検討する必要があります。売上高のような数字ではないメリットも存在しますので、買収にあたっては買収先の企業の魅力が関係者にわかるような資料作成も重要です。
また、規模が大きい会社であればあるほど、統合後のPMIも難しくなることは忘れてはいけません。統合するにあたっては、経理から営業まですべてのシステムをお互いの会社で使える状態にする必要があります。いつまでも別個に使っていたのでは作業効率が良くありません。規模の大きい会社と統合する場合はスケールメリットを得られるので、それを最大限生かすためにもできる限り早期にPMIを実行することが重要です。しかし、規模の大きい会社との統合ほどPMIによる統合作業は細かくなります。そのため、統合前から統合後までトータルで考えて自社にとってメリットがあるかどうか検討することが成功の秘訣です。
買収金額には要注意
M&Aで企業を買収する際に問題になるのが譲渡価格です。M&Aによる企業の譲渡価格には値札がついていません。そのため、適正な値段を算出することが難しいです。当然のことながら、高値で買ってしまうと必要コストが増加します。買収メリットが薄れてしまうことがあるため、高い価格で買収しないことも成功の秘訣と言えます。
適正価格を見極めることは難しいですが、買収価格を算出するうえで大切なことは「買収する企業が将来的にどれぐらいの価値を生むか」を見極めることです。現時点では売上が好調な企業であっても、時代の変化とともに将来的に売り上げが減少するリスクがあります。買収側にとって大切なのは昨年度の利益ではなく買収後の利益です。長期的な視点から、対象対象企業がどれぐらいの利益を生むかを基に買収金額を検討します。
たとえば、買収対象企業の事業計画書を参考にするのも一つの方法です。仮に相手の買収希望金額が5億円である場合、事業計画を参考にして本当にそれだけの利益を生む体制が整っているかどうか判断します。ただし、その事業計画書の数字が正しいかどうかは別問題です。あくまで事業計画書は参考程度に捉えておいて、最後は買い手側で確認してから決断することになります。また、できるだけ適正な買収金額を知りたい場合は、M&Aの専門会社に買収金額の算定を依頼すると良いです。豊富なM&A経験を持つ専門家に依頼することで、これまでの知識から適正な値を算出するたけでなく、状況に応じたアドバイスをもらうことができます。
買収対象企業の社員とのコミュニケーションも大事
M&Aによる買収を成功させるための秘訣の3つ目は「買収対象企業の社員とコミュニケーションをしっかりとること」です。買収対象企業の規模に関わらず、買収した側の従業員が上の立場に立って物事を進めてしまいがちですが、このような形ではスムーズな事業承継は完了しません。売却した企業の社員と同じ目線で1つの会社を盛り上げていくという気概が社員同士になければチームワークがバラバラになってしまい、統合した意味がなくなってしまうでしょう。そのような事態を起こさないためにも、役職が上の立場の人間ほど売却側企業の社員と積極的にコミュニケーションをとることが求められます。M&Aによる買収で、これまでよりも効率良い事業を行うためにも実践してみてはいかがでしょうか。
企業理念や社風が似ている企業同士でM&Aを行うのが良いです。
企業理念や社風が似ている企業同士であれば、売却した企業の社員も従来とあまり変わらずに仕事をすることができます。買収対象企業の社員というものは、何かしら不安を抱えているものです。彼らの能力を最大限に生かすためにも、積極的なコミュニケーションを図ることが必要です。
ここまで述べてきたように、M&Aの成功の秘訣は「規模の大きい会社の買収ほど慎重に行う」「買収金額には根拠を持つ」「買収先の社員とコミュニケーションをしっかりとる」ことです。費用対効果にあったM&Aを実現するためにも参考にしてください。
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