売り手企業の提携仲介契約~専任契約と非専任契約~

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一般に、M&Aのプロセスにおいて会社売却を考えているオーナー社長は、M&A仲介会社と提携仲介契約を締結します。

 

その契約形態は、専任契約と非専任契約の2つのタイプに大別することができます。

専任務契約の場合、売り手企業が1社のM&A仲介会社と提携仲介契約(専任契約)を締結し、1社のM&A仲介会社が買い手探しを行います。

一方、非専任務契約の場合、売り手企業は複数社のM&A仲介会社と提携仲介契約(非専任契約)を締結し、複数社のM&A仲介会社が買い手探しを行います。

両者の契約の違いを、①秘密保持、②成約迄の期間、③案件コントロール、④対買い手候補企業、⑤難しい案件の5つの点から考えてみることにします。

 

1)秘密保持

M&Aは、「秘密保持に始まり、秘密保持に終わる。」と言われます。M&A仲介会社は、売り手企業のオーナー社長に提案の承諾を頂いた買い手候補企業と秘密保持契約を締結した後、具体的な売り手企業の情報を提供します。

非専契約の場合、複数社のM&A仲介会社が上記の活動を行うため、買い手候補企業と秘密保持契約を締結するとは言え、専任契約の場合と比べると売り手企業の情報が拡散することになります。

 

2)成約迄の期間

専任契約の場合と比較して、非専任契の場合の方が複数社のルートで買い手候補企業を探すため成約迄の期間は短くなると思われます。

ただし、各M&A提携仲介会社が持っている買い手候補企業の情報量、得意業種、不得意業種などによっても成約迄の期間は左右されます。

 

3)案件コントロール

専任契約の場合、1社のM&A仲介会社が案件コントロール、すなわち、何社の買い手候補企業に提案して、各社の検討状況はどの程度進んでいるかを一括して把握することが可能です。

一方、非専任契約の場合、全体の案件コントロールをする者が不在であり、その役割を売り手企業が担うには無理があります。

4)対買い手候補企業

専任契約の場合は、1社のM&A仲介会社が全体の案件コントロールをするので、買い手候補企業が複数であっても、各社の検討状況を把握するので案件コントロールが可能です。

一方、非専任契約の場合、複数社のM&A仲介会社が我先に買い手候補企業へ提案します。

この場合、突然、ある買い手候補企業と話が進む(例えば、基本合意契約を締結)ことがあり、検討中の他の買い手候補企業に迷惑をかけることになりかねません。

 

5)難しい案件

売り手企業が、赤字、借入過多、債務超過、あるいはニッチ業種など買い手候補企業を見つけるのが難しい場合は、買い手候補企業を探す間口を広げるために、非専任契約を選択することがあります。

項目 専任契約 非専任契約
①秘密保持
②成約迄の期間
③案件コントロール ×
④対買い手企業
⑤難しい案件 ×

〇(適切)  △(場合による)  ×(適切とは言えない)

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