レーマン方式とは?意味や計算方法

こんにちは。経営承継支援のブログ担当チームです。

レーマン方式はM&Aの取引金額に報酬率を乗じて成功報酬を算出する方法で、3種類の算出方式が存在します。
株価・企業価値・移動総資産の3方式は基準額の範囲が異なり、報酬額に大きな差が生じるため事前確認が重要です。
バリュエーション結果が報酬基準額に直結するため、企業価値評価とM&A費用を合わせて事前に試算することが推奨されます。

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レーマン方式とは?

レーマン方式とは、M&Aの取引金額などに一定の報酬率を乗じる計算方式です。M&A専門のアドバイザリー会社や仲介会社に対して支払う成功報酬を算出する際に用いられます。

「レーマン方式」の名称は、ドイツ人経営学者のレーマン博士の学説を応用した成果分配方法と言われています。また、アメリカの大手投資銀行グループのリーマン・ブラザーズが採用した報酬体系であった説もあります。そのため、「レーマン方式」とも「リーマン方式」とも呼ばれます。

レーマン方式の計算式は以下のとおりです。

成功報酬の金額=報酬基準額(取引金額)×報酬率

上記の算式における「報酬基準額」は、後述の各方式の方法で算出した基準額をベースに算出した金額となります。一般的に取引金額(買収金額)が大きくなればなるほど、報酬率は低くなる傾向があります。

レーマン方式とバリュエーション(企業価値評価)の関係

レーマン方式を理解するうえで、バリュエーション(企業価値評価)との関係を把握しておくことが重要です。バリュエーションとは、M&Aにおいて対象企業の価値を算定するプロセスを指します。DCF法・類似会社比較法・純資産法などの手法によって算出された企業価値が、そのままレーマン方式の「報酬基準額」に直結するため、バリュエーションの結果が最終的な成功報酬額を大きく左右します。

具体的な計算例を見てみましょう。仮に株式価値2億円・有利子負債1億円・総資産5億円(のれん1億円含む)のケースで、報酬率を5%とした場合、各方式の成功報酬は以下のとおりです。

・株価レーマン方式:2億円×5%=1,000万円
・企業価値レーマン方式:(2億円+1億円)×5%=1,500万円
・移動総資産レーマン方式:(5億円+1億円)×5%=3,000万円

このように、どの方式を採用するかによって報酬額に大きな差が生じます。M&Aを検討する際は、アドバイザリー会社や仲介会社との契約前に、どの算出方法が適用されるかを必ず確認することが重要です。売手側にとっては株価レーマン方式が最も負担が少なく、移動総資産レーマン方式は総資産が大きい業種(製造業・不動産業など)では報酬が高額になりやすい点に注意が必要です。バリュエーション結果とレーマン方式を組み合わせて事前に試算しておくことで、M&A費用の見通しを立てやすくなります。

下記は各算出方式や定義の一覧です。

算出方式 報酬基準額の定義 報酬額の水準 採用されやすいケース
株価(株式価値)レーマン方式 株式の譲渡対価 低い 中小企業の株式譲渡全般
企業価値(EV)レーマン方式 株式価値+純有利子負債 中程度 有利子負債が多い企業
移動総資産レーマン方式 のれん+総資産 高い 総資産が大きい製造業・不動産業など
費用の種類 発生タイミング 不成立時の返金 備考
着手金 契約開始時 なし 近年無料化の会社が増加
中間報酬 基本合意契約締結時 なし(一般的) 請求しない会社もあり
リテイナーフィー 毎月(月額固定) 海外案件などで多く採用
成功報酬 最終契約締結・クロージング後 レーマン方式で算出

 

 

レーマン方式の3つの算出方法の比較

レーマン方式は、基準額の違いにより、①株価レーマン方式、②企業価値レーマン方式、③移動総資産レーマン方式の3つの算出方法に大別することができます。以下、①株価レーマン方式、②企業価値レーマン方式、③移動総資産レーマン方式ついて、設例を用いて成功報酬を試算することにします。なお、M&Aのスキームは株式譲渡スキームとし、売手社長への役員退職金の支払いはないものと仮定します。また、料率は一律5%とします。

株価(株式価値)レーマン方式

株式価値
中小企業のM&Aの多くは、スキームとして株式譲渡が選択されています。そのため、株式の取引対価をレーマン方式の基準価格に設定されるケースが大半です。株式の譲渡によって実際に売り手の株主が受け取った金額が基準価額となるため、一番わかりやすく、他と比べて支払う報酬が低くなるケースが多いといえます。

企業価値(株式価値+有利子負債)レーマン方式

事業価値(EV
株式価値にネットデット(Net Debt:純有利子負債)を加えたのが、事業価値(EV)です。ネットデットとは、有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債など)から現預金や有価証券の合計額を差し引いたネットの有利子負債です。事業価値を基準価格とすると、ネットデットが加わる分だけ、株式価値よりも基準価格が高くなります。

移動総資産レーマン方式

のれん(営業権)+総資産
会社の売買は、帳簿上では会社の純資産を購入する形で行われますが、実際にはその金額どおりに売買されることはほとんどありません。製品の品質やブランド力などを総合した収益力を加味した金額で評価されるため、多くの場合において純資産額との差が生じます。この差額が「のれん」と言われています。こののれんに総資産を加えたものが、基準価格として用いられることがあります。
黒字の場合は、「のれん(営業権)」として、例えば営業利益の1年分から3年分程度の金額を時価純資産額に加算します。
一方、赤字(営業損失)の場合は、営業権はつきません。社歴〇〇年の老舗企業、あるいは自称△△△ブランドの商品などの要素は、経済的価値としての営業権としてはみなされません。

~③の算出方法の結果、成功報酬額の大きさは、「①<②<③」となります。
①株価レーマン方式(1,000万円)<②企業価値レーマン方式(1,500万円)<③移動総資産レーマン方式(2,000万円)
 

 

成功報酬以外にかかる費用

着手金

着手金は、M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社が依頼者(買手、売手)に対してサービスの提供を開始する際に請求する費用です。
具体的には、M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社が依頼者の希望する買手や売手を探しり、売手の株価算定、会社情報の分析などを行うために要する費用です。よって、着手金はM&Aが成立しない場合は、返金されません。
着手金の費用負担があると、依頼者にとってハードルが高くなったり、依頼しずらくなります。
そのため、近年、着手金を取らないM&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社が増えています。なお、着手金の代わりに中間報酬を請求する場合があります。

中間報酬

中間報酬は、売手と買手の条件交渉が進み、基本合意契約書を締結する時点で発生する費用です。
基本合意契約書を締結した後、買収監査(DD)で予期せぬ事項が見つかり、その交渉がブレイクした場合、一般的には中間報酬は返金されません。なお、中間報酬を請求せず、最終契約書の締結、クロージング後に成功報酬のみ請求する、完全成功報酬のM&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社もあります。

リテイナーフィー

M&Aにおけるリテイナーフィーは、月額報酬を意味します。
具体的には、M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社に対して、着手金や中間報酬といった形態ではなく、月額報酬を支払います。
月額報酬は、M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社が買手や売手に助言やサポートをする名目で、一般的に毎月固定で請求します。
例えば、海外案件(クロスボーダー案件)の場合、M&Aの成約まで長期間に及びますので、月額報酬が発生することがあります。

 

 

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M&A(株式譲渡、事業譲渡等)に関して着手金無料でご相談可能ですので、お気軽にお問合せくださいませ。

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