投資ファンドの種類

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一口に「投資ファンド」と言っても、幾つかの種類に分類されます。
以下、①投資信託ファンド(Mutual fund)、②ヘッジファンド(Hedge fund)、③アクティビストファンド(Activist fund)、④プライベート・エクィティ(PE)・ファンドについて説明します。

1)投資信託ファンド(Mutual fund)

上場株式、債券、デリバティブ、短期金融商品、不動産などへ投資するファンドです。
個人投資家を対象とした「公募型」、機関投資家を対象とした「私募型」のタイプがあり、「公募型」は、証券会社や銀行、郵便局、保険会社等で販売されています。

個人投資家に非常に人気のある、毎月分配金を受け取る投資信託等は有名です。法律の改正により、「不動産投資ファンド(J-REIT)」、「SRI(社会的責任)ファンド」、「エコファンド」等様々なニュータイプのファンドが登場しました。

出所:一般社団法人投資信託協会

2)ヘッジファンド(Hedge fund)

ヘッジファンド(Hedge fund)は、金融派生商品など複数の金融商品に分散化させて、高い運用収益を得ようとする代替投資の一つです。投資対象は投資信託と同様であり、上場株式、債券、デリバティブ、短期金融商品がメインになります。そのスキームは複雑であり、「売り」からでも、「買い」からでも取引を始めることができます。

ほとんどが私募型であり、投資家がその運用方針、戦略等を検証することは難しいです。一般に、「ゲートキーパー」という、ファンドの調査専門機関を介して情報が収集されています。

米国では半世紀にわたり歴史がありますが、日本においては未だ「空売り」規制等の関係で、ヘッジファンドを組成するメリットはありません。海外プレーヤーがメインプレーヤーになります。
近年、グローバルに株式市場、為替市場の変動を大きくする要因の一つとなっているヘッジファンドの動向は注目されています。

(参考)ポンド危機(Pond crisis)

1992年9月16日、英国の通貨ポンドが外国為替市場で大暴落し、ERM(欧州為替相場メカニズム)を離脱するという出来事がありました。
この出来事は、「暗黒の水曜日」、あるいは「ポンド危機」と呼ばれています。

当時、英国経済が低迷していたにもかかわらず「ポンドが過大評価されている」と考えた著名投資家のジョージ・ソロス氏率いるヘッジファンドは、ポンドの大量空売りで10億〜20億ドル(1,100億円~2,200億円)の利益を得たとされています。

一方、イングランド銀行(英国中央銀行)はポンド買いの市場介入に加えて、公定歩合の大幅な引き上げを行いましたが、それでもポンドの大暴落を止めることができませんでした。

3)アクティビストファンド(Activist fund)

一定以上の保有株式を裏付けに企業経営者に対して増配や自社株買いなどの株主還元の要求や、株主総会における議決権行使などを積極的に行う投資ファンドであり、「モノいう株主」と言われています。

機関投資家、年金基金、富裕層の個人投資家から集めたお金を上場企業株式に投資を行い、投資先の企業に株主の立場で様々な注文をつけることで企業価値高め、株価が上昇したところで売り抜ける手法を用います。
TOB(公開買い付け)を発表することで、その企業の本来の価値(株価)まで値段をつり上げ、市場で売却することもあります。

国内においては、スティールパートナーズがソトー、ユシロ化学にそれぞれTOBを発表した事例、村上ファンドと阪急ホールディングスにおける阪神電鉄の事例が有名です。

4)プライベート・エクィティ(PE)・ファンド

プライベート・エクイティ・ファンド(Private Equity fund)とは、複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を基に事業会社などの未公開株を取得し、同時にその企業の経営に深く関与して「企業価値を高めた後に売却」することで高いIRR(内部収益率)を獲得することを目的とした投資ファンドです。
投資目的には、マネジメント・バイアウト(MBO)、事業再生、成長資金の提供、事業承継などがあります。

中長期での投資を主体としており、企業に中長期の成長資金を供給、若しくは取締役を派遣後大規模な経営再建を実施するプライベートエクイティファンドは、その投資形態において、ヘッジファンドと大きく異なります。

出所:Executive Link HP

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