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ホームセンター業界の市場動向
2021年のホームセンターの販売額は、前年比3.4%減の3兆3,904億円であった(経済産業省「商業動態統計」)。
出所:経済産業省、業界動向サーチ
上記グラフより、2014年から2019年までの6年間のホームセンターの販売額は横ばいで推移し、2020年はコロナ特需や巣ごもり需要の恩恵を受けて増加した。2021年は、2020年の反動のため減少したが、中長期的には横ばいで推移していることが分かる。
2020年のホームセンター業界は年で、マスクやトイレタリー、DIYや園芸用品が好調に推移し、大幅な増収を記録しました。
ホームセンター業界の各社は新規出店により事業を拡大してきたが、この数年はオーバーストア化、異業種との競合等により、市場は飽和状態にある。その結果、各社の経営戦略は、新規出店のペースを抑え、M&Aを活用した業界再編や新規事業への進出などへシフトしている。
ホームセンター業界の売上高ランキング(2021‐2022年)
売上高ランキング | (億円) | |
順位 | 会社名 | 売上高 |
1位 | 株式会社カインズ (ベイシアグループ) |
4,826 |
2位 | DCMホールディングス(3050) | 4,447 |
3位 | コーナン商事(7516) | 4,412 |
4位 | コメリ(8218) | 3,760 |
5位 | アークランズ(9842) | 3,571 |
6位 | ナフコ(2790) | 2,065 |
7位 | アレンザホールディングス(3546) | 1,559 |
8位 | ニトリホールディングス(9843) | 1,370 |
9位 | ジョイフル本田(3191) | 1,235 |
10位 | バローホールディングス(9956) | 1,229 |
出所:各種資料より作成
ホームセンター業界のM&A
ホームセンター業界のM&A(一部)
年度 | 買い手 | 対象企業・事業 |
2020 | 綿半ホールディング(3199) | 株式会社ほしまん(長野県:ドラッグストア・調剤薬局の運営)を孫会社化 |
2021 | オートバックスセブン(9832) | ジョイフル本田(3191)の子会社、株式会社ジョイフル車検・タイヤセンターを完全子会社化 |
2021 | 綿半ホールディング(3199) | 株式会社夢ハウス(新潟県:戸建て木材住宅の設計・施工・販売)を完全子会社化 |
2021 | DCM株式会社 DCMホールディングス(3050)の子会社 |
テーオーホールディングス(9812)の子会社、株式会社テーオーリテイリングと資本業務提携 |
2022 | DCMホールディングス(3050) | エクスプライス株式会社(東京都:専門店EC事業)を完全子会社化 |
2022 | DCMホールディングス(3050) | カンセキ(9903)の第三者割当増資による自己株式(6.3%)を取得して資本業務提携 |
2022 | 綿半ホールディング(3199) | 有限会社中村ファーム(長野県:養豚事業)を孫会社化 |
2022 | DCMホールディングス(3050) | ケーヨー(8168)の株式9.22%(議決権ベース)を買い増し(主要株主より) |
出所:各種開示資料より作成 |
ホームセンター業界の課題と今後について
「市場が飽和状態」
この数年のホームセンター業界の市場規模は3兆円台前半を横ばいで推移しており、市場は飽和状態にある(経済産業省の調査)。
ホームセンター各社は積極的に新規出店を行ったため、市場はオーバーストア化が進行した。
市場の成長率が鈍化する中で店舗数は増え続けたため、一店舗当たりの売上は減少傾向にある。
「同業他社および他の小売企業との競争激化」
ホームセンター業界では、同業他社との競合に加えて、ドラッグストアやディスカウントストア、ネット通販など、多くの小売企業とも競合関係にある。
また、ホームセンターの顧客はプロから一般向けと客層が幅広く、取り扱う商品も多種多様である。
生活必需品はドラッグストア、ディスカウントストアおよびネット通販、インテリア用品は家具・インテリア用品の小売業、プロ向けは事業者向け工具・消耗品・事務用品の通販会社などが競合相手である。
「人口減少による市場の縮小」
小売業にとっては、少子高齢化や労働人口の減少、消費の減退による市場の縮小は大きな課題である今後、ホームセンター各社にとっては、人口減少に対応した新しいビジネスモデルの構築が必要である。
「上位企業による寡占化」
ホームセンター業界では、市場の飽和状態や他社との競合、人口減少といった、様々な課題の解決策の一つとして、ホームセンター業界ではM&Aが活発である。
特に大手企業による買収や提携などが相次いでおり、上位企業による寡占化が進んでいる。
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