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M&A編集長が語る岐阜県のM&A事情
こんにちは、M&A編集長の藤原です。
さて、岐阜県でM&A仲介業務に従事するM&A関係者の方々と岐阜県のM&A事情について聞いてきました。
今回は、岐阜県のM&A事情についてお話します。
岐阜県はどんなとこ?
岐阜県は、日本のほぼ中心に位置しており、岐阜駅までは名古屋駅から快速20分弱(電車)とアクセスも比較的良い場所です。
面積も全国7位と、縦に長く、内陸県の1つです。
岐阜県の人口は、約200万人規模であり、産業は「製造業」が盛んであり、自動車関連の機械工業が有名です。
また、「匠の技」として有名なのは、関市の刃物です。
歴史を辿ると、鎌倉時代後期、元重という鍛冶が関で刀剣づくりをはじめたと言われていますが、15世紀以降に関市に鍛冶が定着したようです。
関の刀剣の特徴は、装飾よりも切れ味でであり、実用的なところであり、そのため関鍛冶は刀剣より剃刀や小刀などの刃物が得意でした。
その他、窯業・土器製品の美濃焼き、飛騨の家具、美濃和紙など、歴史のある土地柄です。
岐阜県内の事業承継にめを向けると、「匠の技」に関わる事業の譲渡も増えておりますが、技術継承できる人材をいかに確保するかがM&Aの交渉時に課題となります。
そのため相手探しに関しては、土地勘のある岐阜県内の金融機関や公的機関と連携し、M&Aマッチングを進めています。
また観光スポットも多く、岐阜県で有名な温泉地として思い浮かぶのは、「下呂温泉」です。
アルカリ性単純泉で、入湯の最古の記録をもつともいわれ、諸説ありますが、源泉の発見は、901年~1265年あたりです。
薬師如来が白鷺の姿になって場所を教えたという伝説が残っています。
現在も、多くの温泉旅館が立ち並び、有名な観光地です。
奥飛騨温泉は、乗鞍岳から流れ出す平湯温泉・新平湯温泉・福地(ふくぢ)温泉、穂高連峰から流れ出す新穂高温泉・栃尾温泉があります。
これら5つの温泉地をまとめて「奥飛騨温泉郷」とよんでいます。
岐阜県の社長年齢は、全国何位?
まずは内閣府データをもとに、岐阜県の人口推移をみていきましょう。
老年人口は2020年以降、横ばいになっており、生産年齢人口・年少人口の減少しており、結果的に、老年人口に占める割合が大きくなっています。
岐阜県の若手経営者は、M&Aで事業を拡大し、人材を確保しなければなりません。
中小企業の社長の高齢化にも、大きく関係していきます。
出所 内閣府
それでは、岐阜県における社長の平均年齢をみていきましょう。
みなさんは、何歳くらいだと思いますか?
2019年の社長の年齢調査によると、岐阜県における社長の平均年齢は62.50歳で全国第22位!
都道府県でみると、ちょうど中間の順位となっています。
そのうち、65歳以上の比率は、30.15%(約3割)が占めており、総人口比率とも同じ比率です。
このように社長が高齢となり、世代交代が急務です。
後継者に事業を引き継ぐ「事業承継」を進める会社が増えている一方、後継者がいない場合は、会社を第三者に譲る方法(M&Aという)を検討しましょう。
しかし現実には、M&Aによる事業承継がなかなか進んでいません。その理由について、みていきます。
地方で中小企業の譲渡が進まない理由とは?
今回、地元のM&A関係者に、岐阜県の中小企業経営者の動向をヒアリングすると、
「60代前後の相談が一番多く、80代を超えるとM&Aを検討する前に廃業を選ぶ傾向にある」とのことでした。
経験上、80代を過ぎると、「M&Aの交渉や手続きを進めてまで、事業承継に取り組む」という意識は薄れていくのではと推察します。
このように社長の高齢化は進んでいるのですが、M&Aの譲渡相談数が増加している状況とは言えません。
いったい現場で何が起こっているのでしょうか?
原因について考察していきます。
その1 M&Aは他人事
1つ目に、「M&Aへの関わり方がわからない」という中小企業の経営者は未だに多いのが実情です。
帝国データバンク「事業承継に関する企業の意識調査(2020年)」のデータでも、23.6%の回答者は、「M&Aへの関わり方がわからない」と回答しています。
実際に、相談者である中小企業の社長にお相手を紹介する際に、「本当に相手先がみつかるとは思わなかった」という声をよく聞きます。
まだまだ中小企業経営におけるM&A戦略は、マイノリティーと言えるでしょう。
しかし、買い手紹介のページにあるように、M&A仲介会社には毎日のように「会社を譲り受けたい」という企業からの問い合わせが全国から寄せられます。
その2 地方は情報伝達スピードがはやい
2つ目に、地方特有の課題でもある地域コミュニティが狭く、情報が広まりやすいという特徴があります。
そのため、会社を売るということが、他人にどのようなイメージを持たれるか気になり、M&Aを躊躇する経営者もいます。
M&Aで会社を譲渡するケースが増えて、特別なものではないという「当たり前」と経営者が考えるようになるような環境をつくっていかなければなりません。
その3 同族間のしがらみが強い
3つ目は、中小企業の中でもファミリービジネスの場合は、マネジメントよりも、親族内の私情やしがらみが優先されることがあります。
この結果、「第三者に譲渡する」という意思統一を図れないことがあり、M&Aまで進まないケースが見受けられます。
その4 家族の生活が目的の小規模事業
4つ目は、「成長を目的としない法人」があるということ。家族経営を目的とした「成長を望まない・望めない」事業は、法人によるM&Aの対象とはなりません。
例えば、夫婦で経営している10坪もない飲食店を思い浮かべてみてください。今後、客数を増やすことは物理的に限界があります。
将来の成長が見込めないという現実。
仮に買手がいるとするならば、「個人で食べていくレベルで事業を引き継ぎたい」という想いの方が、もしかしたら対象となるかもしれません。
しかしM&A仲介業者も民間の営利企業のため、相談になかなか乗ってくれないでしょう。
このように、岐阜県に限った話ではございませんが、国内における中小企業経営は、ビジネスとプライベートの境目があいまいなため一筋縄ではいかないのです。
地方の中小企業が成長するためのM&A
一方、会社を譲り受けたい企業に目を向けてみると、生き残りをかけて、地元の企業との提携を積極的に検討している企業も増えてきています。
事業規模が10億円の中小企業の場合、事業の成長に向け、M&Aによる会社や事業を譲り受け県内でまずは地盤を固めた後、他県への進出するシナリオを考えると良いでしょう。
中小企業・小規模事業者の方で「会社の譲渡・買収について相談してみたい」とニーズをお持ちの方は、以下から問い合わせが可能です。
岐阜県のM&A成立の特徴は?
では次に、岐阜県関連のM&A事例についてみていきましょう。
M&Aデータ会社のMARRデータをもとに、都道府県別のM&A成立件数をみていくと、岐阜県は、18位でした。
岐阜県におけるM&Aの特徴は、関西圏と中部圏を中心としたM&Aが多いです。
実際に、私が所属する経営承継支援のM&A仲介業務においても、調剤薬局、介護事業のみならず、岐阜県内のM&A相談や実績がございます。
M&A事例1~惣菜製造販売M&A~
岐阜県にある惣菜製造販売デリカスイトによる愛知県の料亭「蔦茂」を譲り受けた後継者不在を解決したM&A
M&A事例2~グループホームM&A~
大阪府の医療事業(調剤薬局・看護・介護)を展開するフロンティアによる岐阜県のグループホーム「百々」のM&A
M&A事例3~スポーツ用品M&A~
岐阜県のスポーツクラブを運営するアクトス(バローHD)による大阪府のスポーツ用品販売アプロ―チの買収
このように、同業のみならず、川上・川下戦略によるM&Aや伝統を守るM&Aなど理由は様々です。
↓↓↓ 現在、経営承継支援にご相談頂いている中部エリアの譲渡相談リストです ↓↓↓
岐阜県においては、小売・サービス業界の再編や製造業などの業容拡大など、 ビジネスモデルを含め新たな改革や取り組みが求められています。
M&Aについて詳しく知りたい方は、以下のお問い合わせフォームより個別相談会にお申込みください。
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