2020年土木工事業界のM&A

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土木工事のよくある悩み・ニーズ

 

土木工事(道路、橋梁、トンネルなどの工事)にかかわる業界は、建設投資の状況に大きく左右されるため、国政や景気変動の影響を特に受けやすい業界と言えます。

国内の建設投資は、2011年度以降増加傾向に転じ、公共工事・民間工事の発注がいずれも堅調に推移しているため、建設業界全体としては良好な受注環境にある一方、働き手の不足と高齢化が深刻な問題となっています。

土木工事を行っている企業の中には、現在の経営環境が良好であるにも関わらず人員不足(特に現場監督)のため新規受注が困難となっている企業や、多くの従業員が近い将来に引退時期を控えている企業が少なくありません。

M&Aでは相談の多い業界の1つと言えます。

 

土木工事業界における動向・トピックス

 

国内の建設投資は1994年度をピークに減少傾向にあったものの、東日本大震災の復旧需要等の建設需要により、2011年度以降は増加傾向に転じています。

公共工事も民間工事の発注がいずれも堅調に推移しているため、建設業界全体としては良好な受注環境にあります。

一方で、働き手の不足と高齢化が深刻化しており、中長期的には人手不足に陥る可能性が懸念されています。

国土交通省の算出(2016年3月時点)では、今後10年程度で高齢者の大量離職が起こる見通しとなっています。

この状況の中で、建設会社では生産性の向上による省人化と新規入職者の確保が大きな課題となっています。

生産性の向上に関しては、国としても積極的な取り組み姿勢を見せています。

国土交通省では調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させることを目指しています。

そのため、今後の建設現場では3次元測量のためのシステムやICT建機などが積極的に活用されていくと想定されます。

そして、新規入職者の確保に向けては、労働環境の改善による対応が最大の課題として挙げられています。

具体的な検討内容としては、賃金の引き上げ、長時間労働の是正、非正規雇用の処遇改善などがあります。

これまでも、人員の逼迫による人件費の高騰が指摘されてきましたが、今後も労働環境改善への取り組みに伴い人件費が増していく可能性があり、建設業界に属する企業の重要な課題になると考えられます。

 

なお、 建設業全体の倒産件数については近年減少しているものの、休廃業・解散については、足許では増加の動きをみせています。

大規模な公共工事の入札に参加できるような大企業と比較し、受注規模や資金力、利益率が低水準にある中小企業においては、建設ICTや人員確保に向けた取り組みはより厳しいものになると想定されます。

こういった状況の中で、技能労働者の確保・育成を図る動きと共に、他社との協業や業務提携、企業連携を図る動きが顕著となっています。

 

土木工事業界でM&Aをすることのメリット(譲渡側)

 

譲渡側のメリットとしては、まず雇用の維持・獲得に関する課題解決が挙げられます。

既存の事業を継続していくことは、現在の従業員の雇用を維持することや地域社会への貢献に繋がります。

ただし、事業継続には持続的な従業員確保を可能とする体制も求められます。

建設業界における労働者の高齢化が進む中では、新たな労働力の確保は今後更に重要になっていくと考えられます。

M&Aによって会社の規模を大きくしたり、大手企業の傘下で多様な採用ノウハウを活用したりすることは、人材の効果的・効率的な獲得を可能とするため、雇用に関する課題の有効な解決手段になるでしょう。

また、後継者問題にもM&Aは有効な手段となりえます。

信頼できる先に自社の経営を託すという選択をすることで、これまで守ってこられた雇用の創出・維持や地元へのサービス提供を、現経営陣が引退後も続けていくことができます。

特に債務保証や相続に関する問題を抱えている経営者の方にとっては、M&Aを通してこれらの問題解消を同時に図ることができるため、非常にメリットのある選択肢と言えます。

 

土木工事業界でM&Aをすることのメリット(譲受側)

 

譲受側のメリットとしては、未開拓地域への新規進出や重点地域での競争力強化が挙げられます。

すでに立ち上がっている営業拠点やまとまった人数の技能労働者を獲得できるM&Aは、有効な経営戦略になるものと考えられます。

また、M&Aによる規模拡大は、現在の好調な需要の一服後においても、競合他社との競争力となり、中長期的な企業価値の貢献にも資するものと想定されます。

 

土木工事業界のM&Aのポイント

 

土木工事業界のM&Aにおける最大のポイントは、スムーズな技能労働者の引継ぎです。

譲渡側と譲受側における労働条件(正規/非正規、給与水準、勤務地など)や社会保険の加入状況、労働環境の違いといった各項目をあらかじめ十分に確認していくことが肝要です。

 

また、株式譲渡や事業譲渡など、M&A実行の形態によっては許認可にも留意する必要があります。

 

加えて、M&Aを実行に移す際に、コンサルティング会社に支払う手数料(着手金や中間報酬の有無、成功報酬を含めた手数料総額、等)や提供されるサービス内容に関して確認しておくことも大切です。

通常、一定規模以上のM&Aを検討・実行する際には、M&Aのコンサルティング会社等に依頼をし、その専門的なアドバイスのもとで具体的な手続きを進めていくことになります。

このとき、アドバイスを依頼するM&A仲介会社にどのタイミングでいくらの報酬を支払う必要があるのか、どんなアドバイスやサービスを受けられるのかを確認しておくことが、重要なポイントになりますので、気になる方はお問い合わせください。

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