【会社終活】会社が存続できない真の理由とは!?

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【会社終活】会社が存続できない真の理由とは!?

ある中小企業を世の中に存続させ続けることとは、実はとても困難なことです。

100年企業と言いますが、100年企業はそこまで多くありません。

東京商工リサーチによると、2017 年に創業100 年以上となる老舗企業は、全国で3万3,069社です。

2017年版中小企業白書によると、企業数は大企業1.1万者(0.3%)、中規模企業55.7万者(14.6%)、小規模事業者325.2万者(85.1%)、合計382万者です。

その割合は、実に0.8%です。

ここにこだわる意義は、どれほどあるのでしょうか。

平成28年度中小企業の動向の概要

中小企業の景況は緩やかな改善傾向にあるが、新規開業の停滞、生産性の伸び悩みに加えて、経営者の高齢化や人材不足の深刻化といった構造的な課題が進行中です。(出所:2017年版中小企業白書)

こうした状況の中、起業・創業によりイノベーションが起こり、既存企業は成長を目指し、事業や経営資源(撤退企業を含む)が円滑に次世代に引き継がれるというライフサイクルが重要であり、各ライフステージで共通課題となる人材不足と併せて課題をみていきましょう。

中小企業のライフサイクル

会社と事業

上記の図を見ますと、会社ありきなのか、事業ありきなのかと考えさせられます。

会社を消滅させ、事業は継続させることもひとつの選択肢となります。

経営困窮要因を取り除き、法律や制度によって事業を継続させることは可能です。

この判断をどのタイミングでするかがとても重要であり、経営者は悩むものです。

会社を存続できない真の理由とは?

中小企業庁では、中小企業の倒産状況を把握することを目的に、株式会社東京商工リサーチ の調査結果を取りまとめ、倒産の状況としてホームページで公開しています。

令和元年12 月の原因別倒産状況は、以下のとおりです。

1位:販売不振 508 件
2位:既往のしわよせ 61 件
3位:放漫経営 46 件
4位:連鎖倒産 31 件
5位:過小資本 30 件
6位: その他 19 件

合計:704 件

これを見ますと、

「売上さえどうにか確保できていれば、会社は存続できていたのに」

というような主張を感じます。

 

確かに、急激に売上が減少する場合、会社は切羽詰まった状況に陥ります。

しかし必ずしも、売上高が何億円もあったとしても、 会社は存続できません。

 

つまり、売上高と会社の存続には、直接の因果関係はないのです。

 

実際、売上高が100億円あったしても、存続できない会社はあります。

 

それでは、会社が存続できない本当の原因はいったい何でしょうか。

 

それは、資金繰りです。

 

「企業が経済的に行き詰まり支払能力を喪失し、その結果、事業の存続が不可能な状況」と言えます。

だから、「黒字倒産」があるのです。

黒字倒産とは、利益が計上されているにも関わらず、手元に資金が残っていないため倒産することです。

まさに、「勘定あって銭足らず」です。

大企業に劣るブランド・信用力

 中小企業は、知名度や信頼度が大企業に劣るため、金融機関から融資を受けるとき、思うような資金を調達できなかったり、新規取引先を開拓する際にも信用力が低く、なかなか新規開拓ができなかったり、人手不足でも人材確保に苦労したりする場合があります。

脆弱な財務体質

 多くの中小企業は、自己資金は少なく金融機関からの融資によって資金をまわしています。

また、1年毎の経営状況によって黒字赤字が繰り返され、債務超過に陥る可能性が高いのです。

 

限られた調達手段

 上場している企業であれば、市場から資金を調達することができます。

また、信用力が高い企業であれば、社債により資金調達をすることができます。

しかし、中小企業の場合は、金融機関からの融資による資金調達に限られています。

つまり、金融機関の承諾がない限り、資金調達ができないのです。

優秀な人材が採用できない

 中小企業は、知名度がなく、高い賃金が払えないため、大企業のように優秀な人材を採用することが困難です。

また、採用に向けての応募自体が少なく、限られた応募者から採用するしかありません。

よって、本当は不採用にしたい人を人手が足りないという理由から、仕方なく採用することもあります。

そして、この人を採用しようと「合格」の連絡をすると、応募者から他社に決まったから辞退したいと言われたり、そもそも連絡がまったく取れなかったりすることもあります。

また、やっとの思いで採用しても、たった数か月で会社を辞めてしまうこともあります。

本当に人が定着せず、頭を悩ます経営者は多いのではないでしょうか。

 

社長は連帯保証人

 金融機関から融資を受ける際、金融機関は社長の連帯保証人を当然のように求めます。

社長もそれが当然のように「印鑑」をつきます。

しかし、いったん経営が行き詰った際、社長の個人資産から弁済します。

家族と住んでいた自宅も競売にかけられ、それでも借金はゼロにならないこともあります。

どうしてよいか正しい判断ができず、ぎりぎりまで粘ってしまい、家族の離散や夜逃げなども起こり得ます。

これまでの社長としての栄光は一転し、精神的に追い込まれます。

まさに悲劇です。

 

この他にも理由はあるでしょうが、このあたりが、事業を継続させるうえで悩みどころではないでしょうか。

 

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M&A(株式譲渡、事業譲渡等)に関して着手金無料でご相談可能ですので、お気軽にお問合せくださいませ。

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野上智之

株式会社エクステンド 広島県出身、公立大学法人北九州市立大学商学部経営学科卒業。 大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。 現在も10社を担当し、各地でセミナーや研修を行っています。

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