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分離課税とは
分離課税とは、特定の収益や所得が一般的な所得と合算せず課税される税制の一形態です。
所得税は、各種所得金額を合算して確定申告で税金を納める総合課税が原則ですが、例外的に特定の所得だけで税額を分離して計算するのが分離課税です。
そ分離課税には、<申告分離課税>と<源泉分離課税>の2つの種類があります。2つの主な違いは、確定申告の有無になります。
申告分離課税
申告分離課税は、所得を得た納税者が特定の所得に対する税金を計算し、確定申告で納税する方式です。確定申告を行う点が、源泉分離課税と異なります。
申告分離課税の適用例:
退職所得、山林所得、土地や建物を譲渡したときの所得、株式譲渡所得など
源泉分離課税
源泉分離所得税は、個人が特定の理由により所得を得る際、源泉徴収された金額を受け取ることで納税が完了する方式です。税金は所得を支払う者(法人などの雇用主)によって税務当局に納付されるため、確定申告は不要です。
源泉分離課税が適用例
利子所得、投資信託の収益など
分離課税と 総合課税の違い
分離課税と総合課税の違いは、所得の合算の有無です。
また、分離課税のうち申告分離課税と総合課税の違いは、確定申告の有無になります。
総合課税の場合は、1年間の対象所得をすべて合算し、累進税率によって課税されます。所得税の税率は、5%から45%の7段階に区分された累進税率のため、所得が多いほど、税金が高くなります。
分離課税のメリットとデメリット
分離課税の主なメリットは、所得税を抑えることができる点です。
総合課税は累進税率が適用されるため、所得が増えるほど税率も高くなります。一方、分離課税は、所得額に関係なく各所得で定められた税率が適用されるため、総合課税と比べると負担が軽減します。
注意すべきデメリットは、他の所得と分離して個別に課税されるため、原則、他の所得との損益通算できない点が挙げられます。
分離課税の対象所得
10種類の所得のうち、総合課税のみが唯一の課税方式である給与所得と不動産所得を除き、8種の分離課税対象所得があります。
そのうち、M&AのSきーむの一つである株式譲渡に関連するものは、株式譲渡等の譲渡所得と退職所得になります。
株式等の譲渡所得
株式等の譲渡所得は、原則、申告分離課税です。なお、上場株式の譲渡所得については源泉分離課税を選択することも可能です。
譲渡所得の計算は、上場株式と一般株式(非上場株式など)に分けて計算を行い、それぞれ別々に申告分離します。
したがって、上場株式の譲渡損失が発生し、非上場株式の譲渡益が発生した場合は、どちらも同じ株式等の譲渡ですが損益通算ができない点に注意してください。
上場株式等に係る譲渡所得等の金額
=収入金額(譲渡価額)–必要経費(取得費+委託手数料等)
一般株式等に係る譲渡所得等の金額
=収入金額(譲渡価額)–必要経費(取得費+委託手数料等)
なお、税率については、上場株式、一般株式ともに以下の税率が適用されます。
株式等の譲渡所得に対する税率は、所得税(復興特別所得税を含む)15.315%と住民税5%
の合計20.315%です。
株式譲渡のメリットとデメリット
退職所得
退職所得は、退職により会社から受ける退職金などの所得です。
なお、会社からの退職金以外にも、社会保険制度などにより支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社等から受け取る退職一時金なども退職所得に含まれます。
退職所得の金額は、以下の算式で算出します。
退職所得=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2
勤続年数5年以下の法人役員等の退職金については、2分の1課税は適用されません。
退職所得控除は、勤務年数に応じて以下のように定められています。
勤務年数20年以下・・・40万円 ×勤務年数 ※80万円に満たない場合は、80万円
勤務年数20年超・・・800万円+70万円×(勤務年数-20年)
確定申告の期限
毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得は、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付するように定められています。
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