2020年ホテル・旅館業界の最新M&A動向


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ホテル・旅館業界のよくある悩み・ニーズ

2020年5月現在、ホテル・旅館業界は休業・廃業を余儀なくされ、M&A(事業譲渡)による事業継続ニーズが高まりつつあります。

2020年年明けまでは、訪日外国人旅行者数の増加を主因に、ホテル業界の好調が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響により市況は一変しました。

ホテルの稼働率は80%台で実質満室と言われる中で、2019年年末あたりまでは、全国のシティホテル稼働率は80%前後、ビジネスホテルが75%で、かなりの高水準を推移していました(観光庁「宿泊旅行統計調査」より)。

2019年までは、後継者がみつからず、今後の設備投資も考え、事業承継型のM&A相談が一般的でした。

 

しかし、新型コロナウイルスの影響により事態は一変しています。

2020年5月以降、地域ブロックごとの前年同週比の推移をみると全国の宿泊者数は、90%まで下落しており、GoToキャンペーン等の施策を検討しなければならず、国として難しい判断に迫られている実情も理解できます。

また、外国人延べ宿泊者数を対前年同月で比較すると、2020年2月▲41.8%、3月は▲85.9%と急激な落ち込みとなっております。

アフターコロナを見据えて、ホテル・旅館は、リーマンショック前後の状況と同様に、資金繰り破綻による再生型M&Aを視野にいれて資金繰り計画を早急に立てる必要があります。

 

 

 

出所 内閣府データ

ホテル・旅館業界における動向・トピックス 

 

宿泊旅行は日本人にとって長年変わらない余暇の過ごし方であり、業界全体の安定性は保証されているといえます。

これまでは、細かい動向を見ていくと、老舗旅館や小規模なホテルについては厳しい経営を強いられていることが多いのです。

 

まず、宿泊施設のチェーン化が進み、低価格で満足のいくサービスが提供できるシステムが確立したため、老舗を選ぶ宿泊客が減少しつつあります。

 

現代では旅行サイトなどで宿泊施設を検索し、同サイト内で予約まで行うケースが一般的になっています。

WEB環境に弱い老舗旅館はインターネット世代への訴求力に欠け、観光客を取り逃がしてしまうことが多くなっています。

 

また、個人経営が中心の旅館では世代交代も大きな課題です。

老舗旅館では代々、世襲制で経営者が選ばれていたパターンも少なくありませんが、血縁者から後継者が生まれなかった場合、現在の経営者が年齢を重ねるとともに組織の体力も落ち、閉業へと追い込まれるパターンもありえるのです。

旧体制を脱却し、同時代的な経営戦略へと移行できるかがホテル・旅館業界のテーマになっています。

 

現在、帝国データバンクの調査によると、2020年3月から発生した新型コロナウイルスによるホテル・旅館関連の倒産件数は、5月20日16時時点で業界別最多の35件となっています。

 

まずは、足元の財務状況を再度、見直すことによりコスト削減、IT活用による効率化、sns等で自ら情報発信していく等、新しいことにトライしていく姿勢が望まれます。

 

アフターコロナ後、中国や韓国からのインバウンド旅行客をターゲットに集客していた旅館も、売上構成のボートフォリオを再度、見直していく必要性に迫れるでしょう。

 

このあたりの経営戦略を自力で立てることが難しい場合、同時並行に、大手企業の傘下にはいることも視野にいれ、M&Aを検討しなければなりません。

 

【譲渡・売却】ホテル・旅館がM&Aを実行するメリット

 

譲渡側企業のメリットとしては、まず後継者問題の解決ですが、特にホテル・旅館のM&Aでは、追加設備投資や若手人材の確保が挙げられます。

 

弊社が、携わった旅館は、M&A前は、設備や内装も古いままでしたが、M&A後は、室内もリニューアルすることにより、従業員の士気もあがり、新たな人材を迎えることができました。

 

また、債務保証や相続に関する問題を抱えている経営者の方にとっては、M&Aを通してこれらの問題解消を同時に図ることができるため、非常にメリットのある選択肢と言えます。

また、大手企業の傘下に入った場合には、最新のクラウドシステムや顧客情報データのビックデータを活用できることも大きなメリットといえるでしょう。

そして、社員教育のための研修制度などが活用できる場合には、更なるサービスの向上と顧客満足度の上昇に繋がるものと考えられます。

 

【譲受・買収】ホテル・旅館がM&A実行するのメリット

 

M&Aによる譲受側の企業のメリットとしては、宿泊施設と従業員が一括で引き継ぐことができる点が挙げられます。

 

同業他社が新たな地域への進出を行う際や、異業種からホテル・旅館業へ新規参入をする際には、すでに営業が行われ、地域社会にも馴染んでいる既存のホテル・旅館を取得できるため、特に魅力的であると考えられます。

 

また、短期間での事業拡大にもM&Aは大きな効果を果たすでしょう。

 

新たに宿泊施設を購入したり新規採用したりするよりも、営業している既存の宿泊施設を買収することで、事業拡大の時間を大幅に短縮できるものと考えられます。

ホテル・旅館業界のM&Aのポイント

 

ホテル・旅館業界のM&Aの2大ポイントとしては、

 

魅力的な温泉郷」かつ「こだわりのサービス

 

です。

 

買い手企業として初期的には、追加投資をおこない、それを踏まえたうえで投資回収ができるか、かつ、さらに売り上げを伸ばせるかが重要なポイントとなります。

 

 

M&A成立後、集客力をいかに伸ばせるかがカギ

 

ホテル・旅館業の特徴として、現在の主な集客方法は、旅行代理店もしくは個人のどちらかですが、若い世代を中心に、直接、旅館サイトからの申し込みが主流になってきています。

そのため、Webマーケティングをどのくらい力をいれているかが重要なカギとなります。

特に、旅館サイトは、「料金」だけではなく、旅館宿泊者の「口コミ」が影響します。

これまでは、知り合い同士の口コミレベルが今や、ネット利用者全員に評価を受ける時代になったのです。

部屋の清潔感、温泉の泉質、露天風呂の有無、料理、接客の状況など、口コミには細かい情報が溢れ、評判にも影響します。

アフターコロナ以降の外国人旅行客の動向は、目が離せませんが、もしインバウンド需要が戻るようになれば、海外旅行客への施策も必要となります。

 

ホテル・旅館はM&A成約まで時間がかかります、早目の対応を。

 

ホテル・旅館のM&Aは、小売店と異なり、投資額が大きくなり、集客力を必要とする点から、資金力があり、かつホテル・旅館事業に精通している買手でなければなりません。

 

調剤薬局や飲食店は、1か月でM&Aが成約する事例もありますが、ホテル・旅館は要因に参入できるビジネスではございません。

 

そのため、通常の業界よりも買手探しには時間がかかるのも事実としてありますので、早急に準備することをおすすめします

 

相手を探しながら、企業価値を同時に高めていくために施策を打っていくことがM&A成功への近道となります。

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