株式譲渡契約書/SPA(Stock Purchase Agreement)とは


株式譲渡契約書とは、正式なM&Aの契約書である最終契約書の一種で、M&Aにおける取引形態が株式譲渡の場合に必要となる契約書です。

株式譲渡契約書に記載される項目は、以下のとおりです。

①定義 

②取引対象物の特定と売買の合意

③クロージングの前提条件

④クロージング 

⑤表明及び保証 

⑥誓約事項 

⑦補償 

⑧解除 

⑨雑則  などがあります。

株式譲渡契約書は、両者が期待していたものを予定通り得ることを約束された内容であることが重要ポイントです。

取引に伴う問題が発生した場合の対処方法や、譲渡人が必要な手続きについて完了できているかどうかも明記する必要があります。 譲渡制限を設けている会社の場合は、たとえ株式譲渡契約書を取り交わしても契約そのものは成立しません。 譲渡制限がある会社との取引の際は、正当な手続きを踏んで承認を取り、それから株式譲渡契約書を締結させることが大切です。

表明保証(レプワラ)とは

表明保証とは、M&A取引などの契約において、一定の時点における特定の事実について、一方当事者が相手方に対して真実且つ正確であることを表明し、かつ保証することを指します。

一定の事実について売り手に表明保証をさせることで、民法上の瑕疵担保責任では損害賠償請求できない損害についても補償責任を負わせ、買い手を保護しようという目的のものです。

売り手による表明保証は買い手によるクロージングの前提条件となるのが一般的なので、売り手に表明保証の違反があれば買い手はクロージングの義務を負うことはありません。

競業避止義務とは

「競業避止義務」とは、事業を譲り受けた会社が同一市町村及びこれに隣接する市町村で、事業譲渡の日から20年間、同一の事業を行ってはならないとする義務をいいます(会社法21条1項)。

さらに特約がある場合には30年間、同一の事業を行うことができず(同2項)、不正競争の目的をもって同一の事業を行うことは期間に関係なく許されません(同3項)。

明文上競業避止義務が課されるのは事業譲渡の場合だけですが、当事者間の特約によって株式取得や合併などにおいても競業避止義務が課されることがあります。

事業譲渡と類似の制度である分割については解釈上、競業避止義務が課されると解されています。 もし分割の場合に競業避止義務を課されたくないのであれば、無用な争いを避けるため分割契約に明記しておくといいでしょう。

事業譲渡を譲り受けた会社ではなく、会社内部の情報に精通している取締役にも競業避止義務が課されています(会社法356条1項1号)。 このため、現在または将来、市場が競合する取引を行う場合には、株主総会または取締役会に取引の重要な事実を開示して承認を受けなければなりません。

チェンジオブコントロール(Change of  Control : CoC)条項とは

チェンジオブコントロール(Change of  Control : CoC)条項とは、株主の移動により経営権(Control)が移動する(Change)ことが自明になった段階で、仕入先に「経営権が移動することを事前に通知、もしくは承諾を得る」規定です。

 

M&Aコンサルタントは、対象会社が仕入先との間で、「良好な関係を築いているか」「経営権の移譲後、条件変更の恐れはないか」を事前に確認する必要があるでしょう。M&A後、仕入先や賃貸人が契約を継続しない場合、案件がブレイクする可能性もあります。

 

M&A実務において、CoC条項の対応は重要な論点であり、株式譲渡契約書に、対象会社が仕入先に対して承諾を得るよう「努力義務」が課せられます。

 

M&Aコンサルタントは、対象会社の仕入先や賃貸人との契約書を入手した時点で、CoC条項が発覚した場合、事前に対策を検討すると良いでしょう。

 

【仕入れ先との契約関係における主な条項】

● 重要契約の有無

● 取引継続性の可否・・・契約期間、中途解約、CoC条項

● その他の個別義務・・・最低購入金額もしくは数量、独占的権利

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