株式譲渡【株式売却】


株式譲渡(かぶしきじょうと)とは

 

株式譲渡はM&Aの手法のひとつであり、売り手企業の株式を売買することによって、買い手に経営権を移転する方法を指します。

具体的には、売り手側の既存株主が保有している株式を買い手側に譲渡し、買い手側は現金を支払うという手続きによって成立します。

ただし対象会社の支配権を移転させるためには、株式(議決権)の過半数の移転が条件となります。

議決権の過半数を取得することにより、株主総会で取締役の選解任について単独で決議する権利を有することになるためです。

中小企業のM&A実務においては、100%株式を譲渡することが一般的です。

似たような言葉に「事業譲渡」もありますが、株式譲渡とは異なりますので、気になる方は関連記事をご覧ください。

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 さらに定款変更や合併、会社分割などの組織再編を行うためには、株主総会の特別決議が必要となります。

その決議要件として「議決権を行使できる株主のうち、議決権の過半数を保持する株主が出席し、さらに出席した株主の議決権のうち3分の2以上の多数が必要」(会社法第309条)という決まりがあります。 

特別決議まで考慮するならば、議決権の3分の2以上を取得することが必要です。

株式譲渡は、株式引渡や株式交換、株式移転、あるいは合併など、M&Aにおける他の手段よりも手続きが比較的容易でスピーディーなことから、中堅・中小企業などでよく利用されている手段です。 



株式譲渡を検討する前に注意するを確認しよう

買い手側が買収に必要な資金を事前に準備しておくことや、非公開株の場合だと資産価値が不明瞭なため、適切な譲渡価格等について適宜専門家のアドバイスを受けることなどが挙げられます。 



株式譲渡の手順を知っておこう

① 株式譲渡承認の請求

売り手の株主は、譲渡企業に対して、買い手企業に株式を譲渡することを請求します。

一般的には、A4用紙サイズの「株式譲渡承認請求書」を作成し、「譲渡する株式の種類及び数」や「譲渡の相手方」の情報が記載されます。

② 譲渡企業における株式総会または取締役会での承認決議

譲渡企業は、売り手の株主から「株式譲渡承認請求書」を受け取ったら、株式譲渡を承認するか否かを株主総会または取締役会において決定します。

③ 株式譲渡承認の通知

譲渡企業は、売り手の株主に株式譲渡を承認した旨を通知します。

④ 株式譲渡契約書の締結

通常、株式譲渡を承認した旨の通知を受けた後、売り手である株主と買い手企業との間で、株式譲渡契約書を締結します。

⑤ 株主名簿の名義書換請求

株式譲渡契約書を締結した後、株主名簿の名義人を書き換えます。

原則、売り手の株主(現名義人)と株式を取得する買い手企業(新名義人)が共同で、譲渡企業に対して「株主名簿」「株式名義書換請求書」を作成します。

譲渡企業は、株主名簿の名義書換と株式名義書換請求について承認します。

⑥ 株式譲渡後の役員変更

株式譲渡後、買い手企業が新しく株主となり、株主総会等で新役員を選任し、新たな組織体制でのスタートとなります。


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