株式譲渡・事業譲渡のメリットとデメリットを徹底比較


 

【監修】株式会社経営承継支援 マネージャー藤原秀人

2005年以降、M&A仲介業務に従事。2016年、業界初のM&A専門家向けM&Aマッチングプラットフォームサービスを開始後、M&Aで事業売却。

現在、M&A情報掲示板の「M&Aボード」やM&Aメディア「M&Abuzz」などを展開中。

早稲田大学政治経済学部卒/広島県出身

中小企業経営者様の中には、「買収されるメリット」はいったい何があるか気になる方もいるかもしれません。

ここでは、株式譲渡と事業譲渡のメリット・デメリットを解説します。

事業を別の法人に譲り渡す方法として、株式譲渡事業譲渡という2種類だけ知っておけば大丈夫です。

株式譲渡は、会社まるごと売る方法で、借金も全部、引き継いでもらいます。

事業譲渡は、経営者が売りたい事業や資産をピックアップして、そこだけ譲渡します。

 

 

 

株式譲渡・事業譲渡のメリット・デメリット

さっそく、株式譲渡からみていきましょう。

 

株式譲渡のメリットは、「手続きがかんたん!」です。

売り手と買い手で、株式を何%売買するか、1株の金額をいくらにするかを話し合うだけです。

通常、事業承継型のM&Aは、100%の売買しますので、あまり議論になりません。

 

 

株式譲渡のメリットは、「手取りが多い」です。

さらに、株式譲渡益課税の税率や役員退職金などを総合的に判断すると、株主にはいる手取りが多くなります。

廃業すると、お金は持ち出しになるか、あまり手取りは残らないですが、M&Aは、処分価値ではなく継続価値がつき、さらに「営業権」がつき、いわゆる金銭的な「ハッピーリタイア(幸せな引退)」を実現できます。

 

デメリットについてみていきます。

 

こちらは、売り手よりも買い手が注意すべき点となります。

帳簿上に載っていない簿外負債、偶発債務など、目に見えないリスクをすべて引き継いでしまうことになります。

そのため、M&Aのプロセスでは、弁護士や公認会計士・税理士などにリスクチェックを依頼し、事前に対策をとることが重要です。

図にすると、このような感じになります。

事業譲渡における売り手のメリットは、「本業以外の事業を切り離せる」ことです。

例えば、アパレル会社の経営者が、「新規事業として飲食店をはじめよう!」と思い立ちスタートしました。

数年後、思ったよりも儲からず、「この事業、どうしよう?内装にもお金かけたし、解体費用がもったいない。従業員もいるし」と悩んでいました。

そのようなとき、「飲食事業だけを、飲食業界の企業に引き継いでもらう」ケースが、イメージしやすいのではないでしょうか。

 

事業譲渡における買い手のメリットは、「引き継ぐ対象を選択できる」ことです。

書類の紛失や手続き上の不備がある売り手企業の場合、買い手の立場からすると、まるごと引き継ぐことはリスクがあるので嫌かもしれません。

このようなときは、1つずつ引き継ぐ対象を選択することにより、問題がないかチェックしていくために、事業譲渡を選択します。

 

もうお気づきかもしれませんが、デメリットは、「1つずつ引き継ぐ対象を選択する」という手間のかかる作業が発生することです。

特に、同意のうえ取引先や従業員との契約のまき直しや、不動産登記の移転、特許登録変更などの法務上の手続きを再度しなければなりません。

 

このようにみていくと、中小企業M&Aでは、「株式を売る」方法が一般的です。

 

【重要メモ】

 

将来、会社を売る場合は、次の4つのポイントを事前に知っておけば、スムーズに話を進めることができますので、スマホで写メもしくはメモしておくことをおすすめします。

 

① ちゃんと100%株式を集めることができるか(できない場合は、事前に弁護士に相談)確認する

② 1株当たりの株価はどのくらいか(簡易株価診断する)知っておく

③ 資料の管理を徹底し、トラブルになりそうなことは解決もしくは事前に対処法を検討しておく

④ 経験のあるコンサルタントをみつけておく

 

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