M&A実行における初期分析のポイント


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【監修】株式会社経営承継支援 マネージャー藤原秀人

2005年以降、M&A仲介業務に従事。2016年、業界初のM&A専門家向けM&Aマッチングプラットフォームサービスを開始。現在、当社にてWebマーケティング、AI・RPAによるM&A業務の開発メンバーとして参画。早稲田大学政治経済学部卒/広島県出身

M&Aの対象会社選定が終わり実行フェーズに入ったら、いくらで買収するか、買収を断念するかなど、買収するか否かの最終判断をするために必要な情報を集める初期分析を行うことになります。

しかし、実際にM&Aの経験がない場合などは、どのような情報を集めるべきなのかがわからず手間取ってしまうケースもあるかもしれません。

そこで、初期分析ではどんな情報を収集して整理するべきなのか、どんな書類が必要になるのかなどについてお伝えします。

【初期分析のポイント】企業価値に必要な情報収集と整理

初期分析を行う目的は、対象企業(売り手)の詳細を分析して企業価値を算定するために必要となる情報を入手し整理することにあります。

実行の初期段階に入ったら、対象企業とNDA(機密保持契約)を結んだうえで、相手企業の協力も得ながら必要な情報を取得します。

敵対的買収を仕掛ける場合は、相手先の企業から情報を入手するのは困難になりますが、売手と買手双方にメリットがあるM&Aの場合は、協力関係を築いてできる限り広範な情報を初期分析のために共有できる体制を作ることがM&A成功のポイントとなるでしょう。

初期分析において整理すべき情報は多岐にわたる

初期分析において入手して整理すべき情報は多岐にわたります。初期分析の目的は、企業の価値やリスクを正確に評価するためです。

そのため、企業価値やリスクを判断できる材料となる情報をできる限り取得する必要があります。

 

まず、対象会社の概要については情報収集と整理をしておく必要があるでしょう。どんな事業領域でビジネスを行っているのかがポイントになります。

また、会社設立からの事業分野の変遷や、過去のM&Aの実施状況なども調べておく必要があります。

次に確認すべきポイントは組織構造や従業員の状況で、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」の「ヒト」の部分の情報です。

事業は人なりといわれますので、どんな組織運営が行われているか、意思決定システムはどうなっているか、さらに営業・開発など重要な部門のキーマンは誰かなどについての情報を収集し整理することが大切です。

人材に関する情報は数字では扱えない定性的な部分も多く整理が難しい情報の1つですが、丁寧なヒアリングなどを通じて正確な情報を集めることがM&Aの成功につながります。

できれば、キーマンとは実際に会って話をする機会を設けるのが有効です。

さらに、営業に関する情報の整理も必要です。売上高の推移や市場占有率、主要取引先への依存度などの事業の状況や、業界内の競争状況や消費者動向、法令改正の影響などの業界環境を整理します。

最後は、財務に関する情報を集めて整理します。

財務情報については、2つの側面からアプローチして情報収集と整理を行うとよいでしょう。

1つは財務諸表の収集です。

財務諸表があれば、利益に関する情報や財産に関する情報、そして資金繰りに関する情報まで数字で把握することができます。

もう1つのアプローチは、固定資産などに関して実際に現地で使用状況や利用価値などについて査定して情報を得ることです。

土地や建物、設備といった固定資産は、数字だけでは正確な評価ができない場合も多いです。

 

実際に、現場で確認する姿勢が初期分析においては大切になるでしょう。

そのほか、さまざまな契約関係をチェックして整理することも大切です。

契約上どんな保証をしているのか、訴訟のリスクはないか、知的財産権として活用できるものはないかなども含めて契約について整理することが重要になります。

初期分析に必要となる書類のリスト

初期分析において必要となる情報を集めるにあたっては、書類のリストを作っておくと漏れなく集めることができます。

会社概要については、外部の関係者にも配布している会社案内だけでなく、事業概況などが詳細に記された株主向けのマニュアルレポートなどの書類を集めるとよいでしょう。

 

 

必要に応じて、会社情報について調査会社から情報を購入したり、調査依頼をしたりして会社概要の情報を確保することが必要な場合もあるかもしれません。

また、会社の将来のビジョンがわかる中期計画も、収集すべき書類リストに加えておくことをおすすめします。

財務関係については過去3~5年分の損益計算書、貸借対照表そしてキャッシュフロー計算書などの財務諸表が必要です。

また、納税に関する情報も必要となる場合がありますので、法人税の申告書も数年分取得することが大切です。

営業については、顧客リストや得意先元帳、さらには営業に関わる契約書などがあげられます。

同業者団体に加盟している場合は、その団体の活動がわかる会報などを入手しておくと、営業情報の整理に役立ちます。

人事に関しては、まず組織表を入手することが重要で、重要な部署については主要メンバーがわかる人材リストも入手しましょう。

そのほか、知的財産や金銭消費貸借契約など、さまざまな契約書も収集すべき書類のリストに載せる候補となります。

許認可については、有効に許認可を受けたことがわかる書類を入手します。

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