エグゼキューション【M&Aの実行期間】


エグゼキューション【M&Aの実行期間】

M&Aの関連書籍などを読むと、カタカナ用語が多くて、困っている方も多くいらっしゃるかもしれません。

 

本コラムでは、M&A実務においては、売り手と買い手がM&Aの交渉にはいるタイミング(意向表明)から完了(クロージング)までの「実行期間」を指す「エグゼキューション」についてお話します。

 

エグゼキューション(execution)とは、日本語で「実行」を意味します。

 

それでは、早速、エグゼキューションの流れについてみていきましょう。

 

まず買い手は、売り手の情報提供の依頼をおこない、買収検討を進めていきます。

 

初期段階では、売り手も全ての情報を開示することには消極的ですので、限られた情報の範囲内で質疑応答をおこなっていくのが基本です。

 

初期における質疑応答が一段落した段階で、買い手と売り手のトップ同士で、PtoPミーティング(Principal to Principalミーティング)を実施します。このミーティングでは、価格交渉をおこなうことは避け、これまでの会社の沿革、業務内容、社風などの情報をお互いで話し合います。

 

買い手は、資料による情報やミーティング結果を踏まえ、買い手のM&A戦略の相手としてふさわしいかジャッジし、具体的に買収金額や買収スキームなどを想定して進めていきます。

 

ある程度の方向性が固まった時点で、買い手と売り手との間で、基本合意書と呼ばれる書面にお互いがサインし、基本的な条件にお互いが合意したことを書面に残します。

 

なお、基本合意書を締結することは、必須ではないものの、お互いのために実施しておくことが望ましいでしょう。

 

なぜなら、後ほど紹介するデューディリジェンスや最終契約書の段階まで、お互いの認識が違う箇所を把握できずに進んでしまい、時間と労力をかけたにも関わらず、最終的に破綻してしまう恐れがあるからです。

 

基本合意書の4つのポイント

 

① M&A取引の基本条件となる取引形態、価格、スケジュール等を記載する

 

② 買い手としては、他の競合他社との交渉を防ぐため、独占交渉権を要求するケースが多い

 

③ 一部の条項(独占交渉権や秘密保持契約)を除き、法的拘束力を持たないケースが多い

 

④ 基本合意後のスケジュールやデューディリジェンスに関する事項や許認可等の条項を確認する

 

基本合意書を締結した後、デューディリジェンスと呼ばれる財務、税務、会計から法務に至るまで、買い手は、自社の専門部署もしくは外部の士業(法律事務所や会計事務所)に調査費用を支払い、依頼します。

 

デューディリジェンスは主に3つの目的があります。

 

① 本件を進めるか否かの意思決定

② 価格や価格の調整項目等を調査し反映

③ 価格以外のリスクを反映

 

デューディリジェンスを実行するうえでのポイントは、売り手に関する情報量が増えれば増えるほど、買い手としてもヒアリングしたい事項が増えていきます。

あらかじめ、調査範囲と調査期間は事前に確認のうえ進めていくことが重要となります。

このあたりの調査ポイントは、M&Aのデューディリジェンスに精通している専門家に依頼することをおすすめします。

また、売り手の従業員がM&Aを検討していることを交渉段階で知ってしまうと不安を感じてしまうため、調査方法としては、バーチャルデータルームを活用するか、従業員が休日の日等に、調査を実施します。

売り手は、通常業務に加えて、準備作業やマネージメントインタビューにより会社の詳細を聞かれることにより、精神的な負担が重くなるかもしれませんので、コンサルタントの調整が重要となります。

 

 

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