【未来へのM&A】2020年事業継続型M&Aの到来


【監修】株式会社経営承継支援 藤原秀人

2005年以降、M&A仲介業務に従事。2016年、業界初の「M&A専門家向けM&Aマッチングプラットフォーム」サービスを開始。

後に、M&Aマッチングプラットフォーム事業をM&Aにより事業売却。現在、当社にてWebマーケティング、新規事業として参画。

早稲田大学政治経済学部卒/広島県出身

2020年6月中旬、東京アラート解除を受けて、日本経済は少しずつ動き出そうとしていますが、6月24日の感染者数は東京で50人を超え、予断を許さない状況です。

2020年5月25日、緊急事態宣言が解除され、止まっていた法的手続きの処理も動き出し、新型コロナ関連倒産の件数も、7月から8月にかけて実態がみえてきそうです。

これに伴い、中小企業のM&A環境も大きく変わり、自力で事業を継続するか大手企業の傘下にはいるか事業継続の在り方が問われています。

 

これまで、中小企業M&Aでは、「会社の後継者がいない」悩みに起因する事業承継型M&Aが主流でした。

 

ただし、この事業承継型M&Aの問題点は、「タイミング」です。

経営者も、どのタイミングで、M&Aを決断してよいのか分からず、「まだ後5年、10年は経営できそうだし、、、」「(漠然と)良い相手が現れたら、譲ってもよいか、、、」のような状態です。

このように、どのタイミングで相談するべきか、明確な時期がないため、中小企業の経営者にとって重要な検討事項にも関わらず、「後回し」になっていたのが実情です。

この結果、売るタイミングを逃した会社は数知れません。

 

ちなみに、筆者の個人的な見解を申しますと、厚生労働省の平成30年簡易生命表をみると男の平均寿命は81.25年(平均健康寿命も72歳前後)、女の平均寿命は87.32年ですので、遅くても65歳~70歳の間にM&Aを検討することがベストタイミングです。

 

それでは、これまでの事業承継型M&Aに別れを告げ、筆者が提唱する、これから求められる中小企業M&A=事業継続型M&Aについてみていきましょう。

 

中小企業経営に求められる
「変化対応力」

本題に入る前に、M&A仲介会社の現状も踏まえ、一例を挙げます。

2020年4月、5月は、新規のM&Aに関する相談は減少しましたが、当社は、他のM&A仲介会社に先駆けて、ビデオ通話によるオンラインM&Aを導入しました。

 

サービス開始時は、「オンラインでM&Aの相談をする人はいない」とネガティブな意見も当然、出てきました。

一般的に、「前例がない」「イメージできない、湧かない」事柄について、なんとなくの先入観をもっており、否定から入るものです。

 

理由としては、どうやら「M&Aのような重大な話は、オンラインで行うものではなく直接、対面で会って話さなければならない」ということらしいです。

このような考え方は、前例に引っ張られた発想から生まれてくるのです。

 

2020年6月。オンラインM&Aサービス開始から2か月後、一気に、web会議システムの利用が広がりました。

それと同時に、経営者の意識変化も早く、「オンラインM&A」サービスを抵抗なく利用する企業からの相談は増えています。

実は、「ビデオ通話の使用方法に慣れていない(だから抵抗がある)」ことが、原因だったのです。

 

この一例からもわかるとおり、事業に限りませんが、常に事実をみつめつつ本当の原因や課題は何なのかを考えながら、それに合わせた「変化対応力」を身に着けることにより、事業のチャンスは広がります。

事業を継続させていくためには、「変化対応力」が必要なのです。

 

「変化対応力」の難しさとは

これまで、直営店のみで販売していた企業も、今回の新型コロナウイルスの影響により、インターネットを活用して販売していく「変化対応力」が求められる時代になりました。

「ZARA」等を展開するアパレル大手も、今後、最大1,200店舗を閉店する計画を打ち出し、売上構成比もオンライン販売の占める割合を25%にすると述べている記事が出ています。

 

このように、時代の変化に合わせていくことは、これからの経営において、より一層求められていくでしょう。

 

ただし、ただECサイト(インターネット上の販売ページ)を立ち上げるだけで成果が出るほど、世の中は甘くありません。

インターネットのWebマーケティングノウハウ(リスティング広告やSEO対策)をもとに、日々、データを蓄積し、トライアンドエラーを繰り返していかなければ、簡単に効果は出ず、かつ何より、このようなジャンルに精通している人材やルートが必要となりますので、一筋縄でいかないのが現実です。

 

このように、自力で変化に対応することが困難な場合は、すぐに諦めるのではなく、web関連に精通した人材育成、人材採用を検討するのが一般的かと思います。

もう1つの手段として、そのような人材がいる企業と提携する「事業継続型M&A」を検討することも一案です。

事業承継型M&Aと事業継続型M&Aの違いとは

これまでの事業承継型M&Aとの違いは何でしょうか。

 

M&Aの決断(トリガー)要因が、「株主における問題」か「事業における問題」かの違いです。

 

つまり、事業承継型M&Aは、株主であるオーナー経営者の「高齢化」や「健康問題」に起因し、M&Aを決断するケースが大半でした。

 

これからの事業継続型M&Aは、自前で成長するオーガニックグロース戦略が良いのか、変化に対応することが困難なため他社に売却するM&A戦略がよいのか、「事業継続」の視点で、M&Aに向き合っていくことが求めれます。

 

 

中小企業経営のM&A戦略
事業継続型M&Aとは

事業継続型M&Aとは、「事業を継続させていく」ことを目的とした能動的なM&Aです。

先程の70代の経営者で、「新しいアイデアが思いつかない」や「技術についていけない」場合は、すぐにでもM&Aを考えましょう。

例え、インターネット技術についていけなくても、業歴があり、実績のある会社は、優良な取引先や優秀な従業員であったり、若い会社にはない価値がたくさんあります。

 

 

事業継続型M&Aは、40代~50代の経営者層も対象となります。

過去にM&Aを実行したが思うようにシナジーが出なかったので再売却を検討する場合や、新規事業で立ち上げた事業があるが、他社に売却することにより、成長が加速する場合など、事業ありき」でM&A戦略を立案します。

 

各事業や子会社を含めた収益分析や環境分析をおこない、今後、どの事業を売却、もしくは買収していくかをプランニングしていきましょう。

 

さいごに、「事業売却」を選択する場合は、そもそも売れるかどうかが問題ですので、まずは、当社が無料でおこなっている企業価値診断もしくは、お気軽にご相談ください。

※ 企業価値診断とは、「売却する事業がいくらで売れるか」を簡易的に評価するサービスです。

 

 

関連記事