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建設業界のM&A動向

建設業界のM&A動向

建設業界のよくある悩み・ニーズ

建設業界は戦後、もっとも厳しい局面に立たされていると言われています。アメリカのサブプライムローン崩壊、日本のリーマンショックによって陥った不景気は、建設業界のユーザーを奪いました。現在、不況からは回復の兆しが見えているものの、建設業界には大きな改善は当分起こらないといわれています。国内の企業が設備投資の予算を縮小する傾向は今後も続くと思われ、建設業界全体が再編を強いられています。より多角的な事業をこなしていくことが企業存続のために必要です。

 

建設業界における動向・トピックス

建設業界の動向は経済状況と密接に絡んでいます。経済が上向きの時期には多くの企業がオフィスの新築、改築を検討しがちだからです。しかし、2000年代後半以降の不景気で市場は縮小し、建設業界では多くの中小企業が淘汰されつつあります。そして、追い討ちとなったのが2011年の東日本大震災です。資材調達ルート、運搬ルートが被災し、業務が滞った建設会社は多く、未だに影響から脱却し切れているとは言い切れません。業界全体が苦境にさらされている状態です。

しかし、近年では一時的ではありますが、上昇のきっかけとなるトピックスも目立つようになりました。東日本大震災から年月が経ち、被災地でも住居やオフィスを再建する動きが本格化しつつあります。また、東京オリンピックに向けてスタジアムや宿泊施設などの建設が国中のテーマになっています。

新たな市場を求めて積極的に海外進出を試みる企業も現れました。アジアを中心に未開拓の顧客をリサーチする動きは高まっています。建設業界が事業拡大を果たし、再浮上するために同業とのM&Aも方法論の一つとして注目されています。

 

建設業界でM&Aをすることのメリット(譲渡側)

建設業界のM&Aにおいて、経営権を譲渡する側には会社を守れるというメリットが発生します。問題が山積みともいえる建設業界の現状ですが、なかでも優先されるべきは中小企業の生存でしょう。顧客が減少し、オリンピック関連の工事も競争力の強い大手にさらわれていく中小企業にとって、M&Aは倒産を防ぐための切り札といえます。会社を売却し、経営を援助してもらうことで従業員の生活は守られます。集団リストラなどの苦肉の策に頼らず、経営を存続するにあたってM&Aは現実的な選択肢です。

高齢化した経営者が後継者を見つけるためにも、M&Aは有効です。中小企業では世襲制などの伝統を守っている企業も多く、それゆえに身内から後継者が現れなかったときに経営が行き詰まりを見せるパターンも珍しくありません。M&Aによって後継者問題を解決するのは妥当な解決策でしょう。

一方、企業の伝統を維持できるのも大きなメリットです。建設会社には長年の歴史を誇っているところも多く、戦争や天災といった大事件を切り抜けてきた誇りを抱いている企業も少なくないからです。

 

建設業界でM&Aをすることのメリット(譲受側)

買収する側のメリットとしては新規顧客の獲得が挙げられます。売却側の企業が持っている固定客を獲得することによって、さらなる売上の向上が見込めます。また、キャリアのある人員を増員できるのもM&Aの魅力でしょう。建築業界の現場は技術職であり、キャリアがものをいう仕事です。優秀な職人や、管理職を任せられる人材が増えれば企業力の底上げにつながります。

地方進出の足がかりを得られることも買収側のメリットです。都市圏の競争環境は非常に厳しいうえ、そもそも顧客の絶対数が落ち込んでいます。建設会社は今まで開拓してこなかった地方への事業にも目を向けるべきであり、地方の有能な企業を買収すれば事業はますます拡大できるでしょう。

M&Aにおいては国内企業のみならず、国外企業とのM&Aを考える余地もあります。発展途上国では都市開発が行われる地域も多く、建設業界の需要が望めます。単独での海外進出は資本面などがネックになって躊躇されがちですが、すでに海外展開を果たしている企業、あるいは外資系企業とのM&Aは海外事業を始める突破口となるでしょう。

 

建設業界のM&Aのポイント

建設業界のM&Aを成立させるには、非常に細かいポイントまで考慮し、事前に問題を解決していく必要があります。たとえば、顧客の担当の変更についてなどです。M&A後も両社の顧客担当は変わらないのか、あるいは一部引継ぎを行うのかは繊細な問題です。大口の顧客は買収側が引き継ぐという手もありますが、建設会社と顧客は信頼関係が根強く結ばれているケースもあり、性急な引継ぎは顧客に不信感を与えてしまう可能性もあります。両社の経営陣で話し合って的確に顧客を振り分けていくことが大切です。

資材ルートや運搬会社などとの調整も重要事項です。お互いがこれまで依頼してきた企業を継続するのかどうかは重要な問題となるでしょう。コスト面を考えれば一部の企業を切り捨てることも必要ですが、現場に支障をきたさないようシミュレーションを行うのが無難です。経営陣のみならず、現場の声も反映して決定したいところです。

建設業界には強い逆風が吹き荒れていますが、だからこそ同業同士での助け合いが求められています。M&Aにより業界再編が進めば建設業界のピンチも乗り越えられるでしょう。

 

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