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M&Aに伴う人員整理。適切な処置が円滑な人事制度統合をもたらす

M&Aによる事業合併が行われた場合、人員整理は避けては通れない問題です。2つの企業、あるいはそれ以上の企業が1つにまとまることによって得られるシナジー効果を期待してM&Aを行うわけですが、当然重なり合う部門においては、仕事が重複して人が溢れることになってしまいます。仕事に対して必要以上の人員を配置しておくことは、一時的には可能であっても長期的に見るとデメリットが多くあります。
そこで必要となるのが人員整理です。ここでは、M&Aに伴う人員整理の手法について紹介します。

なぜ人員整理が行われるのか

人員整理が行われる理由として、M&Aによって重複した部門の効率化が挙げられます。M&Aの主たる目的は、2つ以上の企業がそれぞれの強みを活かして経営の多角化や相互補完を行うことです。つまりはシナジー効果を生み出すことにあるのですが、それには負の側面も存在します。

合併する企業で重複する分野に関しては、コスト削減や業務の効率化の意味でも人員整理を行うことが欠かせません。人員整理を行わないことには、人事制度統合もおぼつかないでしょうし、本来の目的であったシナジー効果の創出も見込めなくなるでしょう。人員整理はM&Aに伴う人事制度統合の第一歩であり、避けては通れないものなのです。

人員整理の手法と段階

人員整理の手法にはいくつかの段階があります。最終手段である整理解雇までにはいくつもの段階があり、それを踏まえずに整理解雇を行うことは法的にも認められない可能性が高いので注意が必要です。
組織再編ならびに人事制度統合に伴う人員整理において、まず考えるべきなのが人事異動による余剰人員の整理です。合併後した組織から一人の離脱者も出さず、必要な部署に必要な数の人員を配置することができれば、これはM&Aの理想と言えるかもしれません。
もちろん、すべてがそのようにうまくいくとは限りません。そうなると次に考えるのが希望退職者を募ることです。希望退職者が見込み数に届かない場合、退職勧奨を行うことも考えられるでしょう。しかしながら、退職勧奨は一歩間違えると法的措置を取られることもありますから十分に注意が必要です。
最後に整理解雇を行うケースですが、これにはさまざまな制約が課せられており、実際に行うのは容易ではありません。さまざまな角度から組織再編を検討し、慎重にことを進める必要があります。

穏当な手段である配転・出向・転籍

人員整理を行うにあたって、もっとも穏当な手段として考えられるのが配転や出向、転籍などの人事異動です。これには余剰人員を人の足りない部署で有効活用できるという、ほかの方法にはないメリットも存在します。
しかしながら、従業員にとって問題がないわけではありません。異動先の部署がこれまでの仕事と関係性の薄い分野であることも珍しくありませんし、転勤を余儀なくされるケースも見受けられます。また、配転によって給与が減額されることもあるでしょう。人事制度統合を行う際には、配転や出向、転籍などにも配慮した制度作りが求められます。
とはいえ、就業規則上に根拠がある限りにおいて、配転は一般的に企業に認められている手法であり、人員整理の手段として広く行われています。

組織再編時には希望退職制度の実施が通例

すべての余剰人員を配転や異動によって整理することは難しいでしょう。そうなると次の段階として希望退職者を募ることになります。優遇された退職金の条件を提示して退職希望者を募集する方法であり、会社側としては労働者自身の意思で退職する形にできる点にメリットがあります。後述する整理解雇の場合、条件が厳しく解雇が無効とされることもありますが、希望退職制度の場合そのリスクは低く、組織再編時や人事制度統合時には実施されるのが通例とも言えるでしょう。
希望退職制度にも問題がないわけではありません。まず退職の条件が合理的なものであることです。労働者が納得出来る十分な条件が提示されているか、特定の部署や人だけを対象とした不公平なものとなっていないかなど、留意すべき点はいくつかあります。
また、希望退職制度によって、組織が必要としている人材が流出してしまうことはなんとしても避けなくてはなりません。そのため、希望退職制度には会社側の承認が必要な旨を明示しておく必要があるでしょう。

整理解雇は最終手段でありハードルも高い

配転や希望退職制度を使っても人員整理が十分でない場合は退職勧奨を行うことになります。退職勧奨とは、名前の通り企業側が個別の労働者に対して退職を勧めることです。会社が退職の対象を選定できるメリットがあるとはいえ、あくまで労働者側の合意が必要なこと、本人が退職に応じない場合に無理な退職はさせられないことなど、多くの問題が存在します。
これまでの方法をすべて実施したうえで、なおかつ人員整理が必要なとき最終手段として整理解雇が行われることになります。労働者を強制的に退職させるわけですから、そのハードルは高く実施は困難を極めます。実施するための最低限の条件として、人員削減の必要性があるか、解雇回避のための努力をしたか、対象者の選定が妥当か、手続きが妥当か、といったものが挙げられるでしょう。余剰人員が生じるから整理解雇を実施するというわけにはいかないのが実情です。赤字状態が継続している、組織再編に伴い特定部門が閉鎖するといった事情があり、配転や希望退職制度を実施してもなお人員整理の必要性がある場合にはじめて整理解雇の有効性が認められます。

 

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