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M&Aにおける最終契約のポイント

デュー・デリジェンスによって、買収あるいは合併される企業が抱えるリスクを明らかにしたら、交渉したあとで最終契約を結びます。この段階における交渉において対象となるのは、基本合意の際に保留、あるいはおおまかにしか決めていなかった条件です。この交渉からクロージング(経営権などの移転を完了させること)に至るまでには、いくつかの注意点があります。そこで今回は、M&Aにおける最終契約のポイントについてご紹介します。

最終契約と基本合意とは何が違う?

M&Aにおける最終契約は、デュー・デリジェンスによって見つかった問題点などを参考に、基本合意の内容を修正あるいは変更して作られるものです。すでに作成された基本合意の内容なので、一度は売り手側企業と買い手側企業で交渉を行ってはいますが、デュー・デリジェンスによって専門家などの第三者を交えた客観的な企業評価によっては、買収額や決済の方法、役員の処遇などについて一方当事者が納得しない条件も現れてきます。
そのため、最終契約を結ぶ過程で売り手側・買い手側企業が一緒に条件について確認を行い、必要に応じて再び交渉を行い、その内容を文書にするのです。こうして作成された最終契約書は、その後の売り手側・買い手側企業のあいだで何らかのトラブルが生じたときの解決基準となります。ですから、最終契約を結ぶ手続きは非常に重要なのです。

詳細な条件についての交渉ポイント

最終契約の交渉では、基本合意で細かく決定しなかった条件について詰めていきます。よく交渉の対象となるのは、以下の10項目です。

まずは、売り手側企業が、他の企業の借り入れについて保証人あるいは連帯保証人となっている場合に、保証人をやめるか否かが交渉されます。万が一、保証をした会社が債務を返済しきれなかった場合には、損害を被るおそれがあるからです。次に、売り手側企業の親会社と結んでいる特許やライセンス契約について、M&A後も継続できるか否かもよく交渉されます。これは、M&A後に特許やライセンス契約の効力がなくなってしまうと、その後の収益が大幅になくなってしまうおそれがあるからです。

人事に関しては、M&Aを機に退職する役員の人事と、その退職金額について交渉されます。このとき、退職する役員の引継ぎ期間と、引継期間中の役職名や報酬、常勤か否かなどの処遇についても話し合う必要があるでしょう。さらに、M&A後も雇用し続ける売り手側企業の従業員や役員の雇用条件も交渉の対象です。

以上に挙げた交渉ポイント以外にも、売り手側企業のオーナーが私的に使っている会社の車やゴルフ会員権、オーナー名義の生命保険やクレジットカードなどについて、オーナーに買い取ってもらうか、退職金の一部として現物支給するか否か、社名や商標などを継続するか否か、取引などを行っている会社との関係を維持するか否かなどが交渉の対象となります。

交渉を行う際の注意点

M&Aにおける最終契約を締結する前の交渉は、仲介者あるいはアドバイザーをあいだに挟んで行うことが推奨されます。それは、売り手側・買い手側企業の代表者同士のみで交渉を行うと、互いの要望が合わないときに交渉が長引いたり、せっかく最終的な交渉に至ったにも関わらず最終契約を結ばずに破談となったりすることもあるからです。

仲介者やアドバイザーは、民間のM&A専門業者や、銀行などの金融機関、弁護士などに業務を依頼することになります。その際、最終的な交渉についても仲介を行うかどうか確認しましょう。仲介者やアドバイザーは、売り手側・買い手側企業とのあいだで交渉が滞っているような場合に、客観的な立場から条件の改善について提案を行ってくれます。

最終契約書の主な内容

交渉によって合意したあとは、最終契約書の作成作業です。最終契約書は「DA」と略されることもあり、M&Aの方式によって「株式譲渡契約書」あるいは「合併契約書」など、書面の名前は変わります。最終契約書の内容としては、まず譲渡する内容(株式や事業)が必要です。次に、譲渡する価格を必ず記載します。細かな条件として、株式を譲渡する時期と対価の受け渡し方法、経営者や役職員の処遇などが重要です。

売り手側企業・買い手側企業がM&A後でトラブルとならないために、売り手側・買い手側企業が互いにM&A取引を行えるだけの能力があることの確認、売り手側企業が潜在的に抱えている問題も含め、あらゆる情報を開示しており、デュー・デリジェンスで明らかになった以外に問題はないことの確認も記載しておきましょう。

最終契約書を実際に作成するときは、ここに示している項目をベースに、さらに詳細な取り決めを盛り込んでいきます。

最終契約作成のスケジュール

M&Aでは、株式の売買を行うことが多いため、株主が変わることの法的な手続きや、デュー・デリジェンスによって発覚した問題の解決などを、実際に買い手側企業に引き継がせる前に行わなくてはなりません。このため、最終契約を結ぶ日とクロージングの日は異なることが多いのです。さらに、最終契約の締結からクロージングまでに受けなければならない認可、譲渡承認を取るなどの義務を果たさなくてはなりません。これらの手続きを怠ると、最終契約がなかったことにある、あるいは損害賠償などのトラブルに発展する場合もあります。また、デュー・デリジェンスによって評価した企業価額がクロージングの日までに変動する可能性もあるため、最終契約を作成するうえでは買収額を確定させる日を盛り込むなどの工夫が必要です。

 

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