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簡易さが特徴的!数日での手続きも可能な第三者割当増資の実務

会社の所有者的な株主の地位を取得することによってM&Aの手続きを行います。それによって、会社の経営に関して意見を述べられるようになるからです。株主になるには、その会社の株式を取得しなければなりません。その方法は複数ありますが、そのなかの一つが第三者割当増資です。会社側が新たに株式を発行して手続きを進めていくので、契約手続きは原則必要ありません。そのため、他のM&Aの方法よりも簡易に進められるのが特徴です。そこで、第三者割当増資について解説します。

短期間でM&Aができる第三者割当増資

出資者から資金を提供するのと引き換えに、会社側が新たに株式を発行して、それを割り当てる方法によって行います。既存の株主の持株割合に応じて株式を割り当てるのが株主割当です。そして、それ以外の方法で行うのが第三者割当になります。

たとえば、複数の株主が存在する会社が増資の手続きをするとしましょう。この場合、株主以外の者や一人の株主へ株式を割り当てるときなどが第三者割当に該当します。出資者は株式の割り当てによって、その会社の一定の支配権を得られるため、M&Aの実務で活用される場合も少なくありません。第三者割当増資をする場合、会社の規模によっては、実務上最短二日で手続きが可能です。

また、特定の出資者が、会社と契約して株式を包括的に引き受ける総数引受の方法を利用すれば、一日で手続きを済ませられます。合併や会社分割などの組織再編手続きは、数ヶ月ほどかかる場合も少なくありません。そのため、この方法を活用すれば効率的にM&Aの手続きを進められます。

業務への支障もあまりなく当事会社双方にメリットがある

第三者割当増資は、出資者へ新たに新株を発行して資金を調達する手続きです。したがって、既存の株主の株式割合こそ変化が生じるものの、その地位を失うわけではありません。そのため、会社の支配権を完全に失うことなく、M&Aの手続きができます。また、事業のための資金を得られるので、会社の実務上のメリットも大きいと言えるでしょう。

第三者割当増資を活用して、M&Aを行う場合、合併のように会社の全株式を取得するわけではありません。それから、手続きによって本来の業務に支障があまりないことも見逃せません。合併や会社分割などの組織再編手続きよりも簡易に行えます。

完全子会社化することはできない

M&Aの実務上、買い手の会社のなかには、ターゲットにしている会社を完全支配したいと考えているところもあります。しかし、第三者割当増資の方法では、それを実現できません。出資者が新たな株式を引き受けても、既存株主の保有している株式が消滅するわけではないからです。そのため、業務提携による共同経営目的でM&Aを行う分には問題ありませんが、完全子会社にする目的では活用できません。

また、既存株主の持株割合割合や得られる配当金が少なくなってしまうデメリットもあります。持株割合の減少で会社への発言力が弱まってしまい、新たに株主となった人の賛成がなければ、株主総会決議の承認を得られなくなる可能性も出てきてしまうでしょう。また、会社の利益配当は基本的に株主の持株割合に応じて分配されます。そのため、第三者割当増資によって持株割合が減少すると、得られる配当金も少なくなってしまうのです。

会社形態によって決議機関が違う

第三者割当増資をする際において、募集する株式数、出資金の払込金額やその期日、増加する資本金の額などを定めなければ手続きできません。そのため、会社で株式の募集事項を決定する必要があります。全株式に譲渡制限が定められているか否かで、募集事項を決定する決議機関が相違することに注意しなければなりません。全株式に譲渡制限がある非公開会社の場合、株主の持株比率に対する意識が強いので、株主総会で決議するのが原則です。

これに対して、それ以外の公開会社の場合は、機動的な資金調達を優先して取締役会で決議します。その後、各株主へ通知して、新株発行差し止めの機会を与えることで保護を図っているのです。募集事項を決定したあとは、申込をしてきた者から割当先とその株数を決定します。そして、株式を引き受ける者が出資金を履行することで増資の効力が発生するのです。また、実務上、第三者割当増資による株式発行価格の総額が1億円以上の場合、目論見書の交付が金融商品取引法によって義務付けられています。

出資関係と税務上の問題に注意する

第三者割当増資では、資本金の額の決定と出資金の払込について留意する必要があるでしょう。資本金の額は、交付する全株式のうち、新株発行割合に相当する出資金の2分の1以上を計上しなければなりません。登記手続きをする際にも、書類上からこの点を審査されます。

次に出資金の払込ですが、こちらは払込期日前に行っても構いません。第三者割当増資の実務上、あらかじめ出資者が申込証拠金として事前に払込を行う場合が少なくないからです。ただ、会社の預金通帳へ入金手続きをしないと払込を行ったものとみなされません。したがって、この手続き自体はしっかりしておく必要があります。

また、市場よりも低い価格で第三者割当増資を行った場合、課税上の問題に注意しなければなりません。市場価格と発行価格の差額が受贈益と判断され、所得税や法人税の対象となってしまうからです。

 

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