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会計制度の統合をスムーズに進めるための基礎知識

企業が事業の拡大や新規業態に着手する場合にM&Aが用いられるケースが増えています。新規事業に何のノウハウも持たずに新参者として始めるよりは、時間の短縮やコストの削減につながり、あるいは他社を買収することで主力事業にいっそうの強化を図れることでしょう。しかし、他社を自社に合併させるとなると、企業会計の統合という大きな山を乗り越えていく必要があります。会計制度の統合に必要なこととは何でしょうか。また、スムーズに進めるために必要なこととは何なのか解説します。

企業会計の要・財務会計と管理会計とは

会計制度の統合を実現するには、まず企業会計とはどういうものなのか、あるいはその成り立ちを理解する必要があります。企業が収支など決算報告を行うにあたっては、日々の会計活動を記録に残し、その実績をもとに示していく必要があります。企業の日々の会計活動を企業会計ともいいますが、いわば企業の財務状況を把握するのが企業会計と言うこともできます。企業の財務状況は大きく分けて財務会計と管理会計の2つで確認します。財務会計と管理会計はそれぞれ役割が異なります。財務会計は決算報告など、外部に報告するために作成されるもので、管理会計は内部的に会計面での分析に用いられるものです。


まず、財務会計は真実性や正規の簿記、明瞭性など8つの企業会計原則に則り作成されなければなりません。公に報告するにあたり、報告書には粉飾などを排除した真実性や明瞭性が何よりも求められます。また、外部への経営状態の開示にあたり、貸借対照表や損益計算書などの会計報告書は所定の基準により作成される必要があります。それに対し管理会計は、財務会計と異なり企業内での状況把握、経営判断を行うためのものなので、財務諸表のように書式などのルールは特に決められていません。管理会計では各業務からデータを集計して原価や収益性などの分析し、その結果を報告書にまとめます。事業計画や中長期計画、取締役会など主に経営層が会議等で使用するのが管理会計です。企業会計といっても、だれに開示するのか、そして何に使用するのか目的が異なります。

財務会計における企業結合会計のメリットとは

さらに企業結合や組織再編に関する会計処理を企業結合会計と呼びますが、自社単独のときと企業結合会計では企業会計にどういう違いが生じ、どんなメリットがあるのでしょうか。会計制度のうち、財務会計の面から見ていきましょう。企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」には、他の会社の支配の獲得も含むとあります。また、ある企業を共同で支配する場合の取引や共通で支配している際の取引なども、企業結合会計基準の適用対象です。企業結合会計基準では、M&Aなど組織の再編を行った場合の個別財務諸表の上だけではなく、連結グループ内外の会社間で行われた株式の交換や移転、あるいは会社の分割が行われた場合は連結上の会計処理においても適用範囲となります。企業結合は会計上、ひとつの報告単位に統合されるということだけでなく、連結財務諸表を作成するにあたって企業グループに統合される場合も含まれます。これらのことによって、連結財務諸表上ではグループ会社となった他社の財務や取引状況が把握できるようになり、財務諸表で外部に開示することで経営・組織の抜本的な再構築を公にアナウンスすることにより、市場に好印象を与え株価への反応も期待できるでしょう。

連結後の組織や財務の再構築に有益な管理会計

会計制度にはもうひとつ管理会計がありますが、管理会計において企業結合会計はどのようなメリットをもたらすのでしょうか。企業の連結は財務会計のような外部に向けた財務状況の有益な開示だけではなく、内部で活用される管理会計でも有用なものになります。それというのも、連結財務諸表で明らかになったグループ会社の財務の流れや取引状況から、不正な取引や不明瞭なお金の流れがあった場合に、それを止めることができます。連結前には社内では分からなかった、あるいは秘匿とされていたような不正があった場合に、それが明らかになることによって財務体勢を立て直し、コストやムダを無くすことが可能になります。
そこから新しい組織への構築のヒントが生まれたり、どの業務を強化すべきかが見えてきたりします。管理会計によって社内の財務・組織など、あらゆるスキームの再構築に有効に生かすことができるのが最大のメリットと言えます。さらに、グループ全体の事業計画や予算配分などを決定するための重要な報告書となるのも企業結合会計です。このように、会計制度の統合を行うことは、財務会計の面からも管理会計の面から見ても大きなメリットがあります。ですが、会計制度の統合を実現するためには膨大な各グループ企業の財務諸表や事前チェック、資料の収集や経営方針の決定など大掛かりでさまざまなプロセスを経る必要性があります。

 

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