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M&A事例紹介6:粘り強く活動することでベストな相手先を探し出した事例 (介護)

先日、介護事業の事業譲渡案件が成約しました。
本件は在宅介護といわれる、要支援・要介護者の自宅に訪問し、介護サービスを提供する事業のM&A案件です。

わが国は国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えており、介護サービスの重要性はますます高くなっておりますが、介護事業従事者の慢性的不足、度重なる介護報酬の減額改定など介護事業を取り巻く経営環境は年々厳しくなっている現状です。

本件の依頼主(売手)は大手の事業会社で一事業部門として介護事業を展開していた先でした。対象事業の部門長に事業を売却する決断に至った経緯についてお伺いしたところ、「事業所として収支目標を達成することが出来ず止む無くM&Aで売却するという結論に至った。」「優秀な従業員が多く在籍しており経営にテコ入れする事で魅力的な事業になると思っているが、自社では出来ないためM&Aで新しい担い手を探してほしい」とのことでした。

介護サービスは、それ自体は継続的な需要の拡大が見込まれることから、一般的にはM&Aが成約しやすい業界ではありますが、本件に関しては、当初より、上述した経営環境の中、不採算事業の立て直しが必要であることに加え、依頼主(売手)の希望する諸条件の高さから、それを満足させる買手候補先探しは難しいことが想定されました。

しかし、当社が介護事業の買収ニーズを有している複数の候補先に対して打診を開始したところ、すぐに強い買収意向を示す候補先が現れました。当初候補先となったのは事業の拡大志向が強い成長企業の介護事業者で、若いオーナー社長自らが窓口となり、M&Aの検討を積極的に進めていきました。そして、トントン拍子で話が進み、最終契約締結目前となった段階で、候補先のオーナー社長より突然「検討を白紙に戻したい。」と連絡を受けたのです。

それまでのプロセスが順調であったため、まさに「青天の霹靂」であり、その理由を伺ったところ、「当該M&Aの検討について社内の合意を得ていなかった。そのため、最終契約案について役員会で説明したところ猛反対を受けた。社内の調整不足で申し訳ない。」とのことでした。

候補先の他の役員も参加していた事業所見学では、終始なごやかな雰囲気であったため、全く社内の合意が得られていなかったというわけではなかったと考えられますが、実際には、オーナー社長がM&Aの諸条件に関して、他の役員に確認せずに話を進めていたため、最終契約締結目前になって、強いブレーキがかかったようでした。

当社は改めて20社以上の候補先に対し1件ずつ丁寧にアプローチを再開していきました。しかし、なかなか売手の希望条件に合う候補先が見つからず、数ヶ月の時間が過ぎていきました。そして、いよいよ依頼主(売手)より求められたM&Aの成立期限が近づき、「本件成立は難しいかもしれない。」と思いだした頃、突然、かつて本件を検討したが一度断られた候補先より「以前に提案を受けた案件はまだ残っているか。本件の対象事業所があるエリアを強化する方針となったので再度検討したい。」と連絡を受けプロセスが再度動き始めたのです。

本件の買手となったのは業界大手の介護事業者で、高い財務健全性もさることながら介護事業の豊富なノウハウを有しており、売手としては安心して本件事業を任せられる先でした。結果としてですが、当初の候補先より好条件での合意となり、売手側も大変満足の行く結果となりました。

M&Aでは案件特性に合わせて、最適な相手先を検討・打診する目利き能力とマッチング力が求められますが、なによりも、案件推進が困難となる中でも、最後まで成約をあきらめず、粘り強く活動し続けることが重要であることを再認識した事例となりました。