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秘訣3:事業の将来性、後継者の能力・資質を客観的に見極める。

秘訣3事業の将来性、後継者の能力資質を客観的に見極める

昔のとある信用金庫トップの方の有名な言葉に「貸すも親切。貸さぬも親切。」というものがあります。この言葉は、「親切心でお金を貸すことにより、返って顧客に不幸を招く場合があるからその見極めを行うことが大切である。」ということを意味しています。これは事業承継においても同様で、「継がせるも親心。継がさぬも親心。」と言い換えることができます。

実の息子や娘等、親族内に後継者候補がいる場合、当然に親族承継が第一の選択肢となります。ただし、本当に息子や娘に継がせることが良いのか、親だからこそ「客観的な見極め」が重要です。場合によっては、無理に息子や娘を後継者にすることにより、「継がせる不幸」を招く場合があるからです。それでは、一体どのような観点から「客観的な見極め」を行うのでしょうか。それは、外部環境面からは「事業の将来性の見極め」、内部環境面からは「後継者の能力・資質の見極め」の両面からです。

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まず、「事業の将来性の見極め」については、①将来の政治・経済環境と②業界動向・市場環境、そしてその中での③自社の競争力の3つの観点から検討しましょう。その結果、仮に事業の将来性が非常に厳しいということであれば、後継者が相当優秀な場合でも失敗する可能性が高いということになります。

大変残念ながら、日本経済(内需)の長期縮小傾向は今後も続く可能性が高いと言えます。OECD(経済協力開発機構)の予測では50年後、わが国のGDPは、中国の1/9、インドの1/6になるとのことです。生産年齢人口(15歳~64歳)も2040年には2010年対比30%減少すると言われています。

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また、足元でも年を追うごとに製造業の海外生産比率や売上高比率が高まっています。サービス業を含め、大企業だけでなく中小企業も今後生き残りのためのグローバル対応(海外進出)が必須になろうとしていますが、自力でグローバル対応(海外進出)を行うだけのノウハウ、拠点・取引先等のネットワークを持たない中小企業の中には、生き残りが困難になるケースも出てくるものと考えられます。

このような環境下、自社が属する業界・市場環境が今後、どうなっていくのか、その中で自社が競争力を保ち生き残っていくためにはどうすれば良いか、また果たしてそれが可能なのか、第三者の目で客観的に判断することが重要です。

次に、「後継者の能力・資質の見極め」については、①後継者・経営者としての「覚悟」、②経営者としての能力・資質、③組織的運営導入による解決の3点から検討します。この中で、一番目が、「経営者としての能力・資質」ではなく、「後継者・経営者としての「覚悟」」であるのは意味があります。「能力・資質」よりも何よりもまず、「覚悟」が重要だからです。

よくオーナー社長から「息子が頼りなくてとても継がせられない。」という嘆きの言葉をお聞きします。それはある意味当然のことです。オーナー社長、特にご自身が創業者であるような能力・バイタリテイのある経験豊富な経営者から見れば、年若い、それゆえまだ経験が少なく、能力開発も十分ではないご子息が頼りなく、じれったく感じられるのは致し方ないことです。

むしろ、営業面、技術面、財務・経理面等々、すべての面で頼りがいのある後継者等いなくて当たり前です。ただ、能力・資質に不足することがあっても、3つめの「組織的運営導入による解決」が図れます。例えば、営業が苦手な後継者であれば、優秀な営業マンを雇えば良いですし、財務・経理面が苦手であれば、いわゆる「番頭さん」を経営陣に加えれば良いのです。

しかし、もし後継者・経営者としての「覚悟」が足りない場合は、その「覚悟」ができるまで、絶対に継がせるべきではありません。たまに「社長の肩書」欲しさに早く後を継ぎたいという息子さんがいらっしゃいますが、とんでもないことです。長い間会社を経営していると、思わぬ損失を被ったり資金繰りに窮したりする場合や、取引先・従業員とのトラブル等、精神的・肉体的に非常に苦しい局面が何度も訪れるものです。

どんなときにも「絶対に自分が会社を守る。」、「この苦境を乗り切る。」という強い「覚悟」がなければ、いつか必ず失敗します。ある意味、この「覚悟」の有無、程度を客観的に見極めることが最も重要と言えるのです。

 

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